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29話 トトの家族って...ちょっと変



次にやって来たのはトトの家のある町、[ジングルベル]。

雪が積もるこの町の家は赤色の外壁で地面近くになると白くなっている。

屋根は赤や緑で急な三角形をしていて、天辺には白く丸い飾りが付いている。

木々には飾りが付けられ町のあちこちに精霊が飛び交い電飾のようにキラキラ輝いて、そんな家が沢山あるからまるでクリスマスのような雰囲気だ。

様々な種族の獣人がいるが、中には赤と白の服と帽子をして白い大きな布袋持った人がいたりする。


なんか人間の国よりずっと獣人の国の方がファンタジーなんだけど...

でもこのクリスマス感...偶然だよな?


数人程度だが紐で繋がれた人間を時々見掛ける。

温かそうな服を着ているが痩せていて生気のない表情をしている者が多いようだが、逆に派手に飾り立てられ美しくされている者もいるようだ。

[オルガ帝国]の獣人よりはましな待遇に見えるけど、こっちは男女関係なく性奴隷や玩具にするから何とも...

人間の国だと獣人の殆どが労働奴隷にされ見目の良い一部の者が性奴隷にされるらしいけど、獣人からすれば人間は貧弱で労働させたって大した役に立たないから性奴隷にして飽きたら玩具として扱うらしい。

玩具ってのはストレス発散のサンドバックにしたり手足もいだりとか、...文字通り玩具にするらしい。恐っ...


微妙な気分だ。[オルガ帝国]では獣人の奴隷を見たからね、あのときはイラついたけど今は何か虚しい気分だ。

「どっちも同じようなもの」って神の言葉が思い出される。

なんでどっちも奴隷なんて作ってんだろうな...




「あったあった! ここがオイラの家ッス! いやー懐かしい!」


テンション高く案内してくれていたトトが一つの家の前で止まった。

例に漏れず赤い家だし庭の木々には飾りが付けられている。

家のドアにも丸く蔓を編んで木の実や花や葉をつけた飾りが付いている。

トトは高いテンションのままそのドアをノックして「ただいまー」って大声を出している。

...彼には不安とかないんかね? リリスちゃんとはえらい違いだ。


ドアが開いて中から大きな角が生えた女性が出て来た。

中年の女性だし顔がトトに似ているから彼のお母さんだろう。


「!! あらま、トトじゃないの! よく無事で帰ってきたわね!」

「久しぶり母ちゃん! 5年ぶりッスね。いやー懐かしいッス!」

「本当久しぶりねぇ。...ってあんた、家にいられると困るんだけど、世間体とかあるんだし」

「分かってるッスよ! 元気な姿見せに来ただけッス! 父ちゃんやトタによろしく言っといて」

「はいはい分かったわ。ま、元気にしてるなら十分よ。気を付けてね」

「そっちこそ! オイラみたいに人間に捕まるなよ!」

「当たり前でしょう! ほら早く行きな、ご近所さんに噂される!」

「ひっでー、そんじゃさいならー!!」


とても数年ぶりの再会には見えない明るい会話を終え、トトは俺達の元に戻って来た。

あまりのあっさりぶりに唖然としてしまう。


「...もういいのか?」

「十分ッス! ありがとう御座いました!」


戸惑う俺にトトは頭を下げた。

そうして俺達は[エルスイズ]に戻ったのだった。



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