28話 獣人の国
今俺達は獣人の国[ジュブナイ国]のリス族の集落に来ていた。
とんでもない太さがあるどでかい木が沢山あって、森?なのだろうか?.枝がある部分の幹には扉があった。
よく見れば周囲の木の枝にも扉が沢山ある。どうやら大木の穴に家があるらしい。
穴あけたのか、元からあった穴を利用したのか... 穴あけたのなら木弱んないのかな?
「すごい...ファンタジーだね」
「...そうだな」
蜜柑の言葉に同意する。
ここにいるメンバーは俺と蜜柑と神、後はリスのリリスちゃんにトナカイ族のトトの二人だ。
鷹族のホリーは「プライドの高い一族だから戻ることは許されない」って言ってたし、チュチュとチュッチュのとこは「子沢山で兄弟が多いから戻っても迷惑になる」って。
カーさんはもうお年だからね、4人共来なかった。
ここは人間嫌いの国なので俺と蜜柑は変装している。
と言っても、フード付きロングコートを着て顔を隠してるだけだけど。
神は危険だからって蜜柑に残るように説得してたけど無理だった。
そりゃお留守番ばかりじゃ嫌だよな。でも俺も何かあったら心配だから残っててほしかったけど。
「さて、どうやって登ったらいいのか」
幹の太さは数十mはありそうだし高さも大分あるな。梯子なんてなさそうだしどう登るのか...
「ここは森の中ですから、周囲には普通に魔物がいます。その進入を防ぐ為にも木の上に家があるんです。
勿論、鳥や蛇のように上まで来れる魔物もいますが、私達とは違う強い種族の方が倒してくれるので殆ど被害はありません。
木の上に家があるので普通の人は登れませんし、私一人で行ってきてもいいですか?」
「うん、気を付けてね」
この周辺には魔物がいるから木の上に家があるのか。
でもその魔物も、リス族じゃない他の強い種族が倒してくれてるのか。
だが梯子も付けてないとか凄いな。木に登れない種族は遊びにも行けないし。
家の中が見れないのは残念だがしょうがないか。
リリスちゃんは木に近付くと、器用に飛び乗り登っていく。
その様は映像で見たことがあるリスの木登りと同じで、予想外の早さに唖然と見送った。
すげーな。
そのまま彼女は枝に乗り扉を開け木の中へと姿を消した。
...うーん、中がどうなってるのか見てみたかったな。
さて、後は彼女の家族がどうするかだ。
リリスちゃんを受け入れてくれれば彼女とはここで別れることになる。
それが一番良いことだが...寂しいな。
心配だが俺達には待つことしか出来ない。
どれくらい経っただろうか... リリスちゃんが入っていった扉が開いた。
出て来たリリスちゃんの姿は遠くに見えるが表情は見えない。
彼女はスルスルと木を下り俺達の前に来たが、その表情は暗い。
「やはりだめでした。両親は私が無事なことを喜んでくれましたが...
私がいることでリス族のみんなに迷惑を掛けるわけにはいきませんから、仕方ないですね」
「迷惑なんてなんで!? 家族が一緒にいることがどうしていけないの!?」
寂しげなリリスちゃんに、蜜柑が思わず言い募るように大声を出した。
気持ちは分かるが、それじゃリリスちゃんを責めてるみたいだぞ。
「こいつらリス族みたいな弱い種族は、他の強い種族に守ってもらってるんや。
強い奴らに嫌われたらここでは生きてけへんようになる。せやからあまり波風が立つようなことはしたくないねん。
こいつをここに置けば関係は悪くなるやろな。そやろ?」
神に見られコクコクと必死に首を振るリリスちゃん。
神相手だと緊張するのかな?
「そんな... 話し合って理解してもらうことは出来ないの?」
「獣人は人間よか頭悪いからなぁ... 蜜柑の頼みならわいから言っとこか?」
「止めとけって、獣国には獣国のやり方があるんだろうから。
俺達部外者が口出しするもんじゃないさ」
蜜柑の気持ちも分かるが神が介入するのは不味いだろ、神からの頼みじゃこの世界の者は断れないだろうから強制することになっちゃうし。
それに俺達の国にリリスちゃんが来てくれるんだから、ラッキーってことで。
「これからよろしくねリリスちゃん」
「はい! よろしくお願いします」
「私も、よろしくねリリスちゃん」
「はい! よろしくお願いします」
リリスちゃんは俺と蜜柑にぺこぺこと頭を下げている。
いやいや、そんな畏まらなくても。これからは仲間なんだし。
さて、次はトトの家に向かいますか。
せっかく木のお家なのに中を覗けないなんて...自分で書いててしょんぼりです。




