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23話 オルガ帝国の獣人



この国の家は白い石造りで、屋根は水色や緑など明るい色をしている。

俺達のいる広場には噴水もあって花が咲き乱れていてとても綺麗だ。

だがネヴァル国と違って獣人だろう獣耳や尻尾のある人や、まるきり獣の見た目の人もいる。

その人達は薄汚れた服を着て首には首輪を付けられ鎖で繋がれているが、それを引く人や周囲の人は鮮やかな服を着て美しく着飾っている。

その対比があまりにアンバランスで薄気味悪いものを感じる。


「ここはどんな町なんだ?」

「オルガ帝国っちゅうてな、人間の治めとる国で精霊を崇拝しとる。

とにかく獣人が大嫌いな奴らが多くて捕まえては奴隷にしまくっとる国の首都、オルガビレやな」

「...陸な奴がいなさそうだな」


見た印象や神から聞いたオルガ帝国にわくわくしていた気持ちが萎えた。

この世界にはまともなとこが存在しないのか、奴隷とか正直きついわ。

あっ あの男、うさぎの獣人を殴った。うわ、最悪...


「なにしとんねん、こっちや」


胸くそ悪い気持ちのまま神に呼ばれ付いて行く。

少し道を逸れて進んでいるが、それだけで結構な浮浪者がいる。

神は一人一人確認しながらのんびり進んで行く。相変わらずすげー奴だな。

うぅ... 猫獣人とか...身近にいる動物は辛い。


「こいつは平気そうやな、こっちはだめやな」


一瞬見るだけで選別していく神の後に続き、同じように人々を見ていく。

そんな中でまだ息のある人を見付け、思わず神に声を掛けた。


「...この人は? まだ生きてるじゃねーか」

「それは目がないけど面倒見きれるんか?

腕も回復カプセルつこてもたいして治らへんで」

「目...?」


神に言われ、始めてその人の目がないことに気付き思わず息が止まった。

その人の目の部分は空洞で、何もなかった。

腕がないのはすぐに気付いたけどまさか目までないなんて...

酷い... なんでこんなことになったのか分からないが、きっと陸なもんじゃない。


すーはーと少し深呼吸して気持ちを落ち着ける。

数度繰り返せば胸糞悪くて早くなった心臓もゆっくりとしたリズムをとり始めた。

...よし、覚悟は決まった。


「ここでこの人を見捨てて行ったら蜜柑に嫌われるぞ」

「よっしゃそいつも連れてくで!」


嬉々としてその人を持ち上げ連れて行く神を見てホッと息をついた。

目と、腕が肩辺りからない彼は助けた所で一人で生きていくことは出来ないだろうと思う。

目がなくても犬の獣人だろう彼には鼻があるから、人間よりかは生活しやすいかも知れない。

ただ腕がなければ何も出来ない。口を使うってのはちょっと無理があるよな。

足の指を手のように使って物を掴んだりできる人もいるけど、それは長い時間を掛かけて身に付けたものだろうからできるようになるには時間が掛かと思う。

何よりも本人の努力なしではどうにもならないだろう。

義手...は、肩からの義手ってあんのかな...

帰ったら調べて見よう。


それから更に数人を連れて俺達は帰還した。



ようやく獣人が登場です。

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