20話 魔石
「そういえば向こうに魔石の洞窟があったぞ」
「魔石?」
リアーナさんが北を指差し言うが魔石とはなんだろう?
よくゲームとかである魔石と同じようなものなのか?
「瘴気が濃い場所だと稀に魔力を含んだ石が見付かる。その鉱石を魔石というんだ」
「へぇ~」
やはりゲームに出てくる魔石と同じっぽいな。
もうちょい詳しく聞かないと分かんないけど。それより大事なのは、
「それってやっぱ高値で取引されたりすんの? MP替わりに使えたり?」
「そうだな、質によるが高値で取引されているぞ。
ここは瘴気が多いし人の手が入っていないからSランクの魔石が多く採れるだろう。
それと、MPの替わりもできるがそれより装飾品や武器に使われることが多いな」
「へ~、Sランクってのは良質ってことでいいの?」
「あぁ。最上級だな」
やっぱ魔石はゲームと同じだな。それに人がいない島だから良質らしいしラッキーじゃん。
魔石だけじゃなく鉱石とか植物だって珍しいものが沢山採れそうだし、ここって結構良い場所なんじゃない?
「いいな~、それが手に入れば結構なお金になるだろうな~」
「少しくらいなら採って来ているが、確認するか?」
「えっまじで!? 見る見る!!」
リアーナさんの言葉を聞くとウォルバンさんが鞄から何かを取り出した。
彼の手に乗せられた、キラキラした宝石のような石が魔石なんだろう。
赤や青など様々な色をしている物があるが、ほとんどが黒だ。
それぞれ属性を表しているんだろうけど...
「これが火の魔石で中に火属性の魔力が、同じようにこの水の魔石には水属性が、この闇の魔石に闇属性が、この光の魔石に光属性が入っている。
使う場合は中に入っている魔力の属性が使われるが、ただ中の魔力を吸ってMPを回復することもできる。
そうして中の魔力が無くなるとただの真っ白な石になるな 」
やはり思った通り色ごとに属性が入っているようだ。
今の所この世界には、火、水、風、土、雷、闇、光、の7属性があるって神に聞いた。
神の気分で増えたり減ったりするらしいが...
火の魔石はルビーのように真っ赤で、水の魔石はサファイアのように青くと、どれも一目で属性が分かる色をしていた。
「洞窟で見付けた魔石はほとんどが闇の魔石だな。
瘴気自体が闇属性を含んでいるから魔石に変化した鉱石の多くは闇の魔石になる。
もっと奥に行けば採れる量も多くなり、採れる魔石の種類も変わるだろうが、我々が調査した入り口付近ではそんなものだな」
「へぇ、やっぱ入り口付近だとあんまり採れないのか...
奥に行くと採れる魔石の種類って変わるもんなの?」
「あぁ。洞窟に住む魔物の属性によって採れる魔石も変わるものだ。
強い魔物ほど濃い瘴気を求めて洞窟や森などの瘴気が濃い奥深くを棲み家にしている。
それに魔石が取れる洞窟には魔石を含んだ魔物もいるからな、それからも採取できるだろうから奥の方が沢山魔石が採れる」
洞窟に住む魔物の属性によって採取できる魔石の属性も変わるのか。
強い魔物ほど奥にいるのはゲームと同じようなものなのか。魔石を含んだ魔物がいるってのはいいな。
ゲームや漫画でも魔物から魔石が取れる話しはあるし。
採掘は大変そうだし倒して採取したいな。ゲームみたいでワクワクする。
いつか俺も採りに行けるかな? ...やっぱ死ぬかな?
取り合えず聞いてみよう。
「俺も修業してれば洞窟行って魔物倒せるくらいにはなれるかな?」
「「...」」
おいっ! なんで二人して黙るんだよ!!
「...この島の魔物はレベルが高いからな、上級の冒険者でも少々きつい。
魔物が強過ぎてレベルを上げられないから初心者には向いていないな」
「まじか!!」
ショックだ。まさか敵が強過ぎてレベル上げができないとは思わなかった。
確かにゲームでも弱い奴をレベル上げしようとして強敵と戦かわせてうっかり殺されちゃったなんてことがよくあるが、そんなことしたら俺終わりじゃん。
この世界に死者を生き返させる方法がないかぎり危なくてできない。いや、そもそもそんな痛い思いしたくないが。
絶望する俺に同情したのか、フォローするようにリアーナさんは言う。
「...まぁなんだ、私とウォルバンで守ればレベル上げも洞窟へ行くこともできるだろう。
ただまぁ、命の保証はできないが」
ダメじゃん!!
魔石採りに行きたい...でも柚希達の仕事は浮浪者の面倒をみることなので、当分の間は無理だと思います。




