15話 ウォルバンの義足2
「どうでしょうか?」
「どうとは?」
ウォルバンさんに義足について聞くが会話にならない。つけてみて違和感とかあるのか聞いたんだけど。
「問題なく立っていられるのかなって」
「...まぁ、立つくらいならな」
「じゃあちょっと歩いてみようか」
立つことに問題がなくても歩けるかが一番大事だからな。
ウォルバンさんの歩みに合わせてゆっくりと歩き出す。
「なんだこれは、勝手に足が浮いて気持ち悪い」
「バネが入ってるからね、それで歩いたり跳ねたりできるんだよ」
また気持ち悪いと言っているウォルバンさんに呆れつつ、バネの力で地面を蹴る感じが気持ち悪いんだろうなーと考えていると、ウォルバンさんが「跳ねることもできるのか!」と、いきなりジャンプするから驚いた。
おい、なんかあったらどうすんだ! 事前に言え!!
「なんだこれは気持ち悪いぞ!」
そう文句を言いながらも跳ね続けるウォルバンさんに、存外楽しんでるのではと思った。
そんなウォルバンさんを眺めているとリアーナさんが言う。
「動きに問題はないようだな、昨日の試合のときと変わらんぞ。
どうだ、少し試合をしてみるか?」
「そうですね、これにも慣れてきましたしお願いします」
そう言って二人は腰の剣を抜いた。
レプリカ? いや、多分それ真剣じゃ...
「ちょっ!!?」
驚いた俺が止めるより早く、二人は試合を初めてしまう。
キンッキンッと二人の剣がぶつかり合う音は聞こえるのに動きが速すぎて追いきれない。
...ざっ、残像だと!!?
俺はどうすることもできずに数分が経ち、唐突に二人は動きを止め向かい合って立っていた。
「...その義足とやらは本物だな、見事だったぞウォルバン」
「お褒めに与り光栄です姫様」
なんだか分からないがウォルバンさんが勝ったらしい。
「えーと...どうだった、義足は?」
「最初は邪魔だとしか思わなかったが慣れれば前の体のように動かせ便利だな」
「そっか、なら良かった」
ホッとして笑ってから大事なことを伝えていないことを思い出した。
「あー...あのさ、この町に警備員なんていると思う?」
前前から思っていた疑問を二人に投げ掛けてみると、すぐにリアーナさんが答えた。
「それは必要だろう。町の治安維持の為、魔物の襲撃や盗賊から市民を守らなければいけないし、民同士で喧嘩が起こることもあるだろう」
ごもっともな意見だ。でもそれは普通の町の場合だろう。
ここでは当てはまらない。
「魔物から町を守るのってさ、神がいるから必要ないだろ? 魔物はここに近付けないし。
盗賊なんてここには俺達しか人はいないんだから問題ないし、喧嘩も今いる人達なら問題ないと思うんだよね」
「...」
俺の言葉に二人は黙ってしまう。
少しして自嘲気味にリアーナさんは笑って言った。
「喧嘩くらいならば起こることもあるだろうが、
...アルトバーレ様のいるこの場所で、犯罪を起こす者などいないだろうな 」
その言葉を聞き、 俺の考えを伝えることにする。
「あのさ、ここの魔物って倒せる?
二人が魔物を倒せるなら肉の調達ができるようになるだろ?
またそのうち神と俺で浮浪者を連れてくるからいずれは警備員の仕事もでてくると思うけど、それまでは魔物退治をメインでお願いしたいんだ」
「あぁ、魔物退治なら任せてくれ」
それを聞いてリアーナさんが微笑んで応えてくれた。
魔物の肉って食べられるみたいなんだよね。
良かった、二人にちゃんと仕事をあげられて。
それに食料問題もなんとかなりそうだ。
味の方は分かんないけど普通に出回ってるし大丈夫だよな... 多分。




