14話 ウォルバンの義足1
今うちにある仕事は料理人と農家と警備員の3つだ。
料理人はマチルダさん、ルミナスさん、ミリー、ルルちゃんの4人。
農家はスッダさん、ロイさん、ライゼの3人。
警備員がリアーナさん、ウォルバンさんの2人。
全員に仕事を割り振ったらこんな感じになった。
まだ確定したわけじゃないし、なんか他に仕事が出来たら変わるかも。
ところで現段階で警備員ているのか?
魔島だから人いないし、神がいるから魔物の心配もないし...
それよりウォルバンさんは左足首からないから義足を出した方がいいかな?
地球の物もこの時計で出せるんだよね、下着とかそうだし。
この世界ってどこでも売買機みたいな機械が普通にあるし、技術力はあるんだよ。
なのに義腕や義足なんかは存在しない。車椅子もないし。
まぁ、怪我しても金持ちならすぐに治せるだろうからいらなかったのかな、多分。
神からは必要なら向こうのものも好きに出していいって言われてる。
だから地球の義足を出そうと思ってるけど、機械を作れるような技術者を手に入れたらその人に作ってもらいたいなーと思ってる。
義足なんかは個人に合った物を作った方がいいっていうし、メンテナンスなんかが出来る人がいた方がいいだろうから。
取り合えずウォルバンさんの所に行こう。
「なんだ少年、私達に何か用か?」
「うん、ちょっとウォルバンさん借りるね」
アパートの外に二人は立っていたので声を掛ける。
背筋をピンと伸ばして立つウォルバンさんはとても片足だけで立っているようには見えない。
さすがマッチョといった所か。
ウォルバンさんはリアーナさんから離れることを渋っていたので時計からメジャーを出して足首回りを計らせてもらう。
それからウォルバンさんに時計から出る画面を見せた。
「どれがいい?」
「...どれ、とは?」
「足がないと不便だろ? 義足っていう足の代わりになる物を出すから選んでくれる?」
俺がそう言うと訝しげな目で見てくる。なんだよ?
「...私に買ってくれるつもりか? 私にそんな金はないぞ」
「いや、金なんていらないよ、これを使えば只で手に入るから。
足がないと不便だろうから用意しようと思っただけ。分かった?」
そう説明する俺を眉間に皺を寄せたまま見てくるウォルバンさん。
...恐いからそろ~っと目を逸らした。
「いや結構だ、そんな物をつけたら余計動き難くなるだろう」
「いやいや、日本の技術力を舐めちゃいけませんぜ。
一度試してみよう! な!」
ウォルバンさんは暫く思案した後、
「確かに片足を失っただけで大分動き難くなった。姫との試合では不覚にも遅れをとってしまったくらいだ」と言ってきた。
......その足で試合したの!?
俺はウォルバンさんのタフさに恐れ戦いた。
それでは気を取り直して、ウォルバンさんの選んだ義足は黒光するメタリックカラーだ。
他にもっとちゃんと足に見えるシリコン製とかあったんだけど、俺とリアーナさんが薦めたそれをウォルバンさん本人が断り、これを希望した。
ウォルバンさんをアパートの入り口横に置いたベンチに座らせ足に義足を装着する。
まずはライナーというものをつけるのだが、これはこの後につけるソケットから皮膚を守る為に柔らかい素材で作られたものなのだが、それにクリームを塗って無くなった足首に被せる。
このクリームを塗らないと被せ辛いし中で擦れてしまうらしい。
...うおぉ、骨の部分凸っとしてて気持ち悪... いや、だってこんなん見るの初めてだししょうがないじゃん?
本当はこのライナーはオーダーメイドで作ってもらった方がいいんだけど、作れる人がいないからしょうがない。
それからライナーにソケットという義足を装着する為のものをつけて、それからやっと義足をつけられる。
まさか義足をつけるだけでこんなに色々しなきゃいけないなんて思ってなかったな。
この時計が義足の付け方を教えてくれるから助かった。
それでも四苦八苦して結構時間が掛かった。
...こうして見ると膝下まで義足みたいだな、ふくらはぎまで義足が被さってるから。
「どう、付け心地は?」
「きつくて気持ち悪いな」
一刀両断なコメント...
まぁ、脱げないようにぎゅっと締め付けてるわけだから仕方ないか。
「取り合えず立ってみようか」
俺の言葉に頷いて、そっとウォルバンさんが立ち上がった。
義足ってもっと簡単に身に付けられるものだと思ってましたが調べてみれば大変なんだと知りました。
そもそも義肢を作ってもらうのに役所の許可が必要なことにも驚きましたし、修理にもまた手続きが必要って...




