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12話 二人を蜜柑に会わせる



「あれ、お兄ちゃん起きてたの?」

「あぁ、おはよう蜜柑」

「おはよう、えーと、その人達は昨日の?」


昨日寝ずにそのまま起きてお腹をすかした二人に朝御飯を食べさせ、俺はお茶を飲んでまったりしていると蜜柑が食堂に来たので挨拶をする。

もうすでに起きてる人が数人いるが、子供もいないので静かな食堂だ。


「私はリアーナ、これはウォルバンだ。これからよろしく頼む」


またあの右膝をついて両手を正座みたいに前に揃えて出し、頭を垂れる礼を二人はした。

驚いて慌てる蜜柑に軽く昨日のことを説明する。


「...そうなんですか、ここはまだ出来たばかりの町ですが、一緒に頑張って発展させていきましょうね!」

「あぁ、よろしく」


蜜柑の言葉に柔らかく微笑み返すリアーナさん。

俺は二人の会話が終わるとそっと蜜柑に耳打ちする。


「あーそれで蜜柑、リアーナさんの服頼むな」

「ん、了解!」


返事をしてすぐに蜜柑はリアーナさんを連れて部屋の隅っこに行った。

服を選んでいるのだろう。

それをウォルバンさんと神がじっと見ているからちょっと怖い。

ウォルバンさんの服はもう選んであるから俺達はする事がないな。


「御免なさいね、遅れたかしら?」


そんなとき困ったように少し眉尻を下げながらルミナスさんが食堂に来た。

昨日蜜柑があげたのだろう真っ白な体にフィットした服を着ている。

てっ、天使か!? しかしこの漏れ出る色気はなんだ!!?

...まだ朝御飯には早い6時くらいだし、起きてる人はマチルダさんやスッダさんくらいで問題ない。

なのでそう答えよう。


「大丈夫だよ。マチルダさんはもう食堂にいるから手伝ってもらえる?」

「えぇ、もちろんよ」


ニッコリ笑って返事をしてくれるルミナスさんの笑顔は眩い。

でも、すぐにその表情は陰ってしまう。


「でも、いいの? 私みたいな娼婦が料理を作るなんて、みんな嫌がるんじゃないかしら」


そう言われて不思議に思う。

なんでルミナスさんはそんなに自虐的なんだろう、この世界だと娼婦であることがそんなに差別されることなのかな...

日本では嫌悪くらいならもってる人もいるだろうけど、そこまで気にしないよな。

それに多分ここじゃ俺達んとことは違ってやむを得ず働いてる人が大半だろうし、同情するなら分かるが嫌うのはおかしいよな。

そんなことを考えながら彼女に答える。


「いいんだよそんなの気にしないで。

こんな美人なルミナスさんが料理を作ってくれるなら俺はすっげー嬉しいけど?」

「...ふふふ、なら頑張って作ろうかしら?」


何とか気にしないでもらいたくて明るく言ってみたら、彼女は一瞬驚いたような顔をして、それから照れ臭そうに笑ってくれた。

それから心なしか嬉しそうにキッチンに入って行った。


彼女は自分を卑下し過ぎだと思う。

だけど、態度には出さないけど確かにここにも彼女を嫌悪してる人がいるんだろう。

そういったものを気にしないでいられるようになるには、まだまだ時間が掛かるだろうけど...

早くみんなで仲良く生活できるようになればいいなぁ。

平和主義な日本人としては、やっぱりそう思うのだ 。


さて、俺も暇だしキッチンの手伝いでもしてようかなー。

俺はカウンターから奥のキッチンへ進み、野菜を切るマチルダさんと、鍋を煮込むルミナスさんに声を掛けた。


「何か手伝うことありますか?」

「こっちは平気だから、もう少ししたらみんなを起こしてくれるかい?」

「分かりました」


二人だけだから大変だろうに、いや、素人の俺が手伝うのは邪魔になるのか?


「暇なんで見ててもいいですか?」

「?? 見てたって面白くもなんともないだろうに...」


そのまま三人で時々会話をしつつ途中で来たミリーも加わり、いい時間になったのでみんなを起こしに行った。



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