11話 え!? ここは危険な島だった...
カプセルから出て来たのは、美しい女性だった。
白髪に銀の目、白い肌。どこもかしこも本当に白い女性だ。
それが全裸で俺の前に... 全裸!!?
「うわぁっ!!!」
そう叫んで俺は反対に顔を思い切り向ける。
男に殺されるとかそんなこと考えてる暇もなかった。
お陰で首を痛めたが。
「ウォルバン、ここはどこだ?」
「小僧、ここはどこだ?」
「えっ? ...どっか辺境の島ってことしか」
ここがどこかなんて俺は知らん。返答に困っていると美女に質問される。
「なぜそんな所に私達はいる?」
「え? 神がここで浮浪者の面倒みろって言うから連れて来たんだけど」
「神?」
訝しそうに眉根を寄せながら見られるが、本当のことなんだからどうしようもない。
「う、うー! かっ、神! 出て来い!!」
「うっさいガキやな、よくもわいと蜜柑の時間を邪魔しおったな」
困った俺が思わず神頼みするとすぐに返事が聞こえた。
が、相当怒っているようで威圧感が半端ない。
黒いオーラ出てるし神ってより邪神だろ!? ってか邪神も神だった!!
ってかお前蜜柑と一緒にいたってどういうこと!? 女子部屋に入ったの!?
「創造神アルトバーレ!!?」
驚き声を上げる二人に俺も驚いた。
神ってそんな名前なの!? ってかこいつが創造神!?
驚く俺の前で二人は右膝をつき両手を正座みたいに前に揃えて出し、頭を垂れた。
「なんやこいつら」
「怪我人だよ回復カプセルに入れてた。ってかそれよりこの島ってなんなんだ?」
「ここか? ここは人間が住んどらんから正式な名前はないが、人間達は魔島とか呼んどったな」
「魔島って、Sクラスの魔物が犇めくあの魔島ですか!!?」
目を見開いて驚いている二人の、彼女の言ったSクラスの魔物という怪しげな言葉に嫌な予感しかしない。
「おい! ここって滅茶苦茶危険なのか!!?」
「大丈夫やて。ここら周辺にはわしがおるから魔物は寄って来ーへん」
まさかこの辺にそんな強い魔物がいるなんて思わなかった。
って、そういえば!!
俺は素早く時計型機械を操作し、取り出した物を二人の方に向け自分は見ないように顔を伏せた。
「これを着て下さい!!」
てきとーに選んだ服を渡そうとすると、少ししてから二人は受け取った。
「感謝する」とそれぞれお礼を言い、ガサガサと着替える音が聞こえてくる。
顔を上げたい衝動もあるが我慢しよう。
音がなくなり顔を上げると真っ白なワンピースを着た美女がいた。
髪も目も肌も服も白...全身真っ白じゃねーか!!
なんか色ついた服にすればよかった...
なんだか申し訳なく思いながらふと彼女の隣を見れば...
「!!?」
ぱっつんぱっつんの服を着るマッチョがいた。
Tシャツのような服が今にもはち切れんばかりに伸びて茶色のズボンは裾の長さが足りないようでふくらはぎから出ている。
...よく着れたな。無理して着てくれたんだろう、良い奴だ。
「アルトバーレ様、それと少年、助けて頂いて感謝します」
美女がそう言うと、二人は深く頭を下げた。
「私達に出来ることがあれば何なりとお命じ下さい」
「別に何しろってこともないんやけどなー、柚希の言うことでも聞いてりゃいいんちゃうかー?
ここのことはそいつに任せとるからな」
全投げかよ!!
神のせいで二人が俺を見てくる。どうしろっちゅーねん!!
「えっ、えーと、そうですね、お二人は戦いとか出来るんですか?
出来るなら町の自衛とかお願いしようかな」
「私は少しだが武術を嗜んでいる。及ばずながら力になろう」
「私は騎士ですから腕には自信があります。
ただ姫を守る使命があります故、姫から離れることは出来ません」
俺が絞り出した仕事に美女とマッチョが言った。
やっぱ美女は姫様か。すげー納得。
って、姫様なのに武術とか出来るの!? それなのにあんな死にかけてたの!?
絶対大事な気がするよ、ここにいていいの二人共??
その疑問をそのまま聞いてみることにする。
「お二人はその、この島にいてもいいんですか?
お姫様や騎士なら帰らないといけないんじゃ...」
「私達は国に殺されかけたから問題ない。戻っても殺されるだけだろう」
俺の問いに重い内容が返ってきた。
「えっと、それじゃこれからよろしくお願いします」
「あぁ、これからよろしく。私はリアーナ、これは護衛のウォルバンだ」
リアーナか。年上っぽいしリアーナさんか?
彼女の紹介にウォルバンさんは軽く礼をした。
「あっ、俺は倉橋柚希です。妹の蜜柑や他の人達はまた明日紹介しますね」
「あぁ」
「とりあえず今日はもう寝ましょう。部屋はどうしようかなー...」
部屋に連れて行ったら寝てるみんなを起こしちゃいそうだしなんかいいとこないかな?
この人達の部屋用意しても使いこなせないだろうし...
「いや、私達は回復カプセルで寝ていたので大丈夫だ」
「え? 本当に大丈夫?」
「あぁ」
本当に眠らなくても平気なのか気を使ってるのか分からないな。
「んー、なら俺がこのアパートの中を案内しますよ」
「貴方は寝なくて平気なのか?」
「普段から夜更かししてますから全然平気です」
向こうで夜更かししてたのは本当だけど、実はちょっと眠い。
ま、これくらいの付き合いは問題ないさ。
「感謝する」
いつの間にかいなくなっていた神に呆れつつ、俺は深夜2時のアパートを案内した。
リアーナとウォルバンには色々あったんだろうね。
漠然と命狙われたとしか考えてないんですけどね。




