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10話 カプセルの男


「ギャー!! 水が止まらない!!」

「助けてーー!!! ドアが開かないーー!!」


話し合いが終わり、各々自由に別れたのだが...

あちこちからヘルプの声が響く。

使い方は一応一通り説明したのだが日本式で俺が作っちゃったから使いこなすのが難しいようだ。

いやでもこの世界にも色々進んだ物あるよね? 庶民には一般的じゃないのかやっぱり??

水を出しては止められなかったり、お湯を出しては「熱くて死ぬ」と叫んだり、部屋やトイレの鍵が開けられなかったり、トイレなどの排水口に物を詰まらせたり...

トイレが流れないと、うんこを見せられたのはきつかった...

俺と蜜柑はあっちにこっちに駆けずり回っていた。


それから仕方なく暫く男性は俺、女性は蜜柑と部屋を分けて生活することにした。

1階から3階まで駆け回るより大分楽になったが今だに騒がしい。

ちなみに神も俺と一緒の部屋にいる。ごちゃごちゃうるさかったが女性と同室など許さない!


「はぁ~~~、なんで蜜柑がいないんやろー。みんな殺っちゃおっかな...」


壁の隅でぶつぶつ恐ろしいことを言っている神は放置して今はみんなに服の着方をレクチャーしている。

服はこっちの世界の服を渡したから問題ないだろうが下着は日本のを渡したらしい。

こっちの下着って男女共に褌みたいな布を巻くか...ノーパンらしい。

更に女性はブラジャーもなく、何も着けないかさらしを巻くのが一般的みたいだ。

いや、お貴族様はコルセットとかあるみたいだけど。

だから今、蜜柑の渡したトランクスやボクサーパンツの穿き方を教えている。

あっ、蜜柑は俺のパンツ買ったり洗ったりしてるから、そういうのに抵抗はない。


みんなの服とかは前に蜜柑と話し合ったことがあったんだよな。

お金を渡して好きに買ってもらうってのも考えたんだけど色々トラブルが起こりそうだから避けたんだよね。

それをああやってちゃんと用意して渡した蜜柑に驚いた。


蜜柑が選んだ服は男女共にあまりサイズをとわず着れるもので、女性はリボンで調整できるふんわりしたドレスやワンピースだ。

蜜柑も俺と同じ時計を神から貰って向こうで再調整していると思う。

サイズが合わなかったりするだろうし。

よく分からんが女性のブラとかぴったりじゃないといけないんだよな?

後は生理用品? ああいうのを渡したりしてる。

他にも色々...

この時計では建物を作るだけじゃなくて何でも只で出すことが出来るから、服とかも問題ない。

男のなんててきとーでいいのに女は大変だなー(棒読み)。

いや、こっちも服の交換とかさせられてるけど。

パンツを以前の褌みたいのにしたり、後パンツなんかいらないから服をもっとくれとか...

頼むからノーパンは止めてくれ...


また俺は遠い目をして窓の外を眺めた。

そんな俺と神を無視して、周囲はずっとうるさかった。





寝静まった頃、俺は病院に来ていた。

怪我してる人を放置してたわけだからずっと気になってたんだよ。

でも予想外に忙しくて...

二人共相変わらず回復カプセルの中だ。

回復カプセルの中は水で満たされているのだが、この水が体の傷付いた組織を治してくれる。

失った腕や足などの部位欠損も治せるらしい。

ただ、あまりに時間が経ったものだと無理らしいから、この二人はどこまで回復できるか...

この世界で最高の医療機器らしくこれ以上の物はないし、地球にだってこんなすごい物ないからな。

できるだけ治ってほしい。そう思いながら暫く眺めた。



いつの間にか眠っていたのか、ふと物音がして目を覚ました。

まだ覚醒しきらない頭でぼーっとしていると、カプセルが1つ開いていることに気付いて慌てて起きた。


「うおっ、いつの間に!?」


中の人はどうしたのだろうと周囲を見ようとして、首に何かが当たる感触と同時に後ろから声がした。


「動かないでもらおう」


背筋が震えるほど恐ろしい低音ボイスに思考が停止する。

俺は回復カプセルを覗いた状態のまま硬直していた。


「貴方が私の体を治してくれたのか? 感謝はするが姫様の安全のためじっとしていてもらおう」


いやいやいや、背伸びして腰の曲がった状態でじっとなんてしてられないでしょう!!

そう長くもたないことから、俺は恐る恐る声を出した。


「あの」

「なんだ」

「この状態はきついのでそこの椅子に座らせて下さい」

「...」

「うおっ!?」


ぐいっと乱暴に肩を押されて後ろの椅子に座らされた。

そうして改めて男に顔を向けると、そこにいたのは筋肉ムキムキのマッチョだった。

端整な髭顔に胸まであるウェーブした金髪と金目をした派手な男が、まっ裸で仁王立ちしていた。

どこの戦士だよ、全く勝てる気がしない。


...良かった、ち○こは立ってない。


こんな男に襲い掛かられたら俺なんてなんの抵抗も出来ずに「あーー!!」だった。

そのことに少し落ち着いた俺は男に声を掛ける。


「...なぁ、せめて服着ない?」

「服など持っていない」

「いや、着てたボロボロの服があるでしょ」

「あんな物を着るなら裸の方がましだ」


う、うーん、ちょっと変わった男だな。


それから二人で無言の時を過ごした。

その間に男の左足が足首からないことに気付いた。あまりにも堂々と仁王立ちしていたし裸だった衝撃から気付かなかった。

そのことからもう一人の怪我もちゃんと治るか不安になる。

姫様ってことは女性だろ? すごい火傷の痕みたいだったけど、傷とか残ると可哀想だな...



そうして数時間後、もう1つの回復カプセルも開いた。



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