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柔らかに微笑む瞳

前話から引き続き、ナーブ視点の回想です。

 レーヴの宮に戻ってくると、レーヴは最低限の従者だけ残してからゆったりとした服装に着替えて、大きく伸びをした。

 かっちりと着飾った華美な正装も美しいが、ゆったりとした服を着て穏やかな表情で寛いでいるレーヴも美しいと思う。


「やっと煩わしい挨拶も終わったな……。はぁ、疲れた……」


 レーヴはそう言って大きく息を吐きながら、けだるい動作で長椅子にぐったりと身体を預けた。

 俺はレーヴの肩からぴょんと降りて、テーブルに置かれた俺専用のクッションの上に座る。

 目を伏せて疲れた表情のレーヴもため息が出るほど美しい。俺がほぅっと息を吐くと、それを見たレーヴが俺を見て小さく笑った。


「ナーブも疲れたのか?俺と同じだな」


 レーヴはそう言って、膝に肘をつくように乗せてテーブルの上の俺に目線を合わせるように顔を近づけた。

 俺の視界がレーヴでいっぱいに埋め尽くされて、俺は嬉しくてたまらない。

 別に疲れたからため息をついたわけではなかったのだが、同じと言われて嬉しかったので訂正しないでおく。


 俺はレーヴと一緒なら平気だ。


「そうか。……それにしても、その言葉遣い完全に定着してしまったな」


 教えたのはもっと丁寧な言葉のはずだったのに、と言いながらレーヴは困ったように笑いながら言った。

 俺は胸を張って答えた。


 だってこちらの方が覚えやすかったし、レーヴは宮ではこちらの口調で話すから、俺もそれに合わせたんだ!


「まぁ、楽だから……。それに意地もあるしな」


 意地?


 俺が首をかしげると、レーヴがちょっとだけ目を丸くしながら聞き返してきた。


「おや、言ったことなかったか?俺が宮でのみこの口調を通しているのは、昔ちょっとした出来事があったからなんだ」


 聞きたい!レーヴのことなら何でも聞きたい!!


 俺がくぴーと鳴くと、レーヴは懐かしむように微笑みながら教えてくれた。


「実は俺にはまだ幼いころ兄がいたんだ。同じ母が産んだ同腹の兄が。……とても美しい人だった。俺の知る、一番美しい王族だな」


 レーヴよりも?


「俺よりも」


 その言葉に、ならばぜひ会ってみたいと強く思った。

 しかしそんな俺の様子を察したのか、レーヴはさらに言葉を続けた。


「残念ながら会うことは出来ない。なぜなら兄は俺が幼いころに月の元に行ってしまったからだ。あの時はとても悲しかった」


 宮の柱から覗く空を一瞥しながら、レーヴは言った。

 今は見えない月を見ているのかもしれない。


「私には弟妹達はいたけれど、兄と呼べる存在は一人しかいなかった。突然一番上の兄であることを求められた俺は、辛くて辛くてたまらなかった」


 幼いレーヴが苦しんでいる姿を想像して、胸が辛くなった。

 出来ることならそばに寄り添って、大丈夫だと言ってあげたくなった。


「そんな俺に母が引きあわせたのがカーディーン兄上だった。初めて会った時は王族らしからぬ姿に怯えたものだけれど、俺はすぐに兄上を慕うようになった」


 突然出てきた名前にうげっと思った。

 そもそも俺がぼんやりとでもカティアの加護相手の名前を覚えているのは、レーヴが定期的にその名前を話題に出してくるからである。

 俺にとっては残念なことに、レーヴは兄としてカティアの加護相手をかなり慕っていて、俺が苦手意識を持っていることを何とかしたいと思っているようなのだ。しかしこればかりはどうすることもできないので、俺は頬を膨らませて「苦手」の意思表示するだけだし、レーヴはいつも通り気にせずに話を続けるだけなのだ。

 そしてレーヴが話すところによると、突然出来た兄の後ろを幼いレーヴはよくついてまわったそうだ。弟妹達や大人達から亡き兄の分まで期待をかけられていたレーヴは、自分を甘やかして弟扱いしてくれる兄の存在に寄りかかっていたのだと言う。

 年齢が少し離れていることもあって、レーヴにとってはとても頼りになる兄だったらしい。


「そして軍の者に混じって体を鍛えていた兄上は、当時言葉も王族としては少々乱暴だったのだが、幼心にそれがとても格好いいものだと錯覚してしまった俺は、兄上の口調を真似し始めたんだ」


 けれどその数日後、再び出会った兄は自分のことを「私」と言い、口調も王族のものになってしまった。そしてそれ以降、レーヴの前で決して言葉を乱すことがなかった。

 兄は何も言わなかったが、レーヴが口調を真似し始めて悪い影響を与えたことを誰かに咎められたのだと、容易に想像がついてしまったらしい。

 そう言って、レーヴはさみしそうに眉を寄せて笑った。


「だから俺は、兄上は俺に悪いことを教えたわけではないと主張したくて、この口調を直さなかった。意地の様なものだったんだが……まぁ今は純粋に慣れてしまって、公私の切り替えに丁度いいからそのまま使い続けているんだがな」


 レーヴは軽やかに笑ってそう話を締めくくった。

 鮮やかな青い瞳が俺ではない懐かしい何かを見つめている様な気がして、俺はそっと声をかけた。


 じゃあやっぱり、俺もこの口調を直さなくてもいいな。レーヴが兄から真似したものなんだからな。


 俺の兄妹達、特に末の妹などはよく兄妹の真似をしたものだ。まぁ、真似できずによく鳴いてわめいていたが……。

 俺がふんぞり返ってそう言うと、レーヴはその瞳に俺を映して綺麗に笑った。

 すこし間をおいて、レーヴがまた「兄上と言えば……」と言いだしたので、俺もまた頬を膨らませる。

 ほだされたりなぞしない!


「ナーブは兄上に秘密を作ってしまったね」


 くすくすとからかうように言う。太陽の光を束ねた様な金色の前髪が、レーヴの動きに合わせてさらさら零れた。


 レーヴも絶対言っちゃだめなんだからな!


「わかってる」


 前髪からのぞくふたつの瞳は好奇心の色を湛えている。

 絶対に面白がっている!


 人間が花を贈るのはどういう意味があるんだ?


「まぁ様々な意味合いで贈るけれども、未婚の男性が年頃の女性に贈るならば、最も多い意味合いはやはり好意を示す場合だな。逆にいえば、勘違いさせないように未婚の男性は未婚の女性に花を贈るのを避ける傾向にあるしね」


 なるほど。だからあの女が花をもらったと言うことは、カティアの加護相手が求婚をしているという意味合いに取られるらしい。


 カティアみたいな髪の色だったな。


 既に顔すら覚えていないが、末の妹に似たふわふわした髪の色だけは覚えていた。


「そうだな。服装から見るに身分は低い様だけれど、まぁ身分なんてあってないようなものだからな。平民でさえなければ誰に咎められることもない」


 身分とは、ただ高い方がより身分の高い人間と縁を結びやすく、権力は家を繁栄させる力がある証だと言うだけの話だから、らしい。


 身分ってめんどうだな。好きな相手がいたらさっさと番えばいいのに。


「そうだね。王族としてはなかなか難しい話だとは思うけどな……。自由に番える守護鳥のナーブは次世代を産むために番ってくれても構わないのだけれど?」


 レーヴの言葉に、俺はさらに頬を膨らませた。

 カティアの加護相手の話よりさらに嫌な話だ。


 絶対森へは行かない!俺はレーヴのそばを離れたくなんかない!!


「そうはいってもなぁ……。少なくとも守護鳥が一度は森に行ってくれるよう頼むのも王族の義務のひとつだ」


 レーヴはそんなに俺と離れたいのか?


 俺は悲しくなって、レーヴの顔を見上げて尋ねた。

 ここ数日ずっと森へ行かないのかと誘われ続けて、本当はへこんでいるのだ。レーヴはもしかして俺を嫌いになってしまったのではないかと。


「そんなことはない。俺だってナーブと離れるのは辛いし悲しい。けれど、次の世代の者達の為に次世代の守護鳥を産んでほしいと願っているのも本当なんだ」


 俺はくぴーと力なく鳴いた。


 俺はレーヴの望みなら大抵のことは叶えてあげたいけれど、今は嫌だ。今は離れたくない。


 うなだれるようにそう言うと、レーヴは俺をこしょこしょと撫でた。

 くすぐったい様な心地よい様な感覚を目を細めて感受する。

 レーヴは俺をくすぐりながら、独り言の様な声音で言った。


「いずれで構わないから考えていてほしい。ナーブは兄弟の中でも最も魔力が強いのだから、次代の親になる可能性が高いと鳥司も言っていたことだしな」


 そもそも俺はどうやって次代を産むかとか、よくわかっていないんだけれどなぁ……。森に行けば本能でわかるものなのだろうか?

 あとでこっそり鳥司に聞いておこうと思いながら、レーヴの言葉にくぴーと返事をしておいた。



 数日後、俺はとてもとても不安に思っていることがあった。

 カティアの加護相手に花を食べたという秘密がばれていないかと言うことだった。

 あの女はちゃんと秘密を守っているだろうか……。

 自分の目で確かめないことには不安で仕方がなく、俺はレーヴが文官との話し合いで部屋にこもっている時を利用して、あの女を探してみることにした。


 あの女はどこにいるのだろう?


 探し始めてまず考えた疑問がこれだった。

 王族ならば宮か仕事場にいけば会うことが出来る。しかしあの女は貴族だ。屋敷は宮殿の外だし、仕事を持っているわけではないからそもそも宮殿にきているかどうかもわからないと鳥司に言われて、じゃあどうすれば会えるのだと首をかしげた。

 しかしそんな心配は杞憂だった。

 回廊の向こうを歩く茶色の髪が見えたのだ。

 あれじゃないかな?とその後ろ姿を追いかけてくぴーと鳴いて声をかけた。

 背後で聞こえた音に振り向いた茶色の髪の女を見たが、あの時の女か覚えていない。

 鳥司に目線であってるかと確認すれば肯定の返事が来たので、さっそくと話しかける。


 あの時の女!えぇっと……秘密はちゃんと守っているか?


 俺はおろおろそわそわと、鳥司の手の上で足踏みしながら聞いた。

 女は俺の姿に驚いて目を丸くした後、少し小首を傾げている。

 たぶん俺が誰の守護鳥であるかわからなかったのだろう。俺がレーヴと別行動をしている時に話しかけてこようとする人間によくあることなので、こちらもさして気にしていない。

 守護鳥を見慣れない人間に俺達兄弟の区別がつくとは思わないし、俺達の方も相手の名前や顔など覚えないからだ。

 少しの間があって、思い出した様な顔をしてから女が口を開いた。


「ナーブ様でいらっしゃいますのね。はい、カーディーン様に秘密を告げてはおりませんのでご安心くださいませ」


 その言葉を聞いて、俺は全身の力をくったりと抜いた。

 よかった。


 絶対に言ってはだめだからな!


「畏まりました」


 女は小さく笑ってしっかりと了承した。

 と、ここでふと思い出す。


 お前はカティアの加護相手と親しいのだよな?


「私が気安く親しいと申し上げてもよい御方ではありませんが、カティア様とは先ほどもラナー様の宮で御一緒いたしましたし、カーディーン殿下のことは他の貴族女性よりは存じ上げているかもしれませんね」


 女は言葉を選ぶように、けれどカティアの名前と加護相手の名前にはにじみ出る親しみを込めて笑顔でそう言った。

 俺はその言葉を聞いてよしと頷いた。


 じゃあ女。俺の為にカティアの加護相手からムーンローズをもらってきてくれ。


 俺が言うと、女はぎょっとしたように顔をひきつらせた。


「あ、あの……理由をお伺いしてもよろしいでしょうか……」


 おそるおそると言った様子で尋ねてきたので、その問いに答えた。


 ムーンローズが食べたいからだ。しかしあの花は軍の関係者しか持っていないようで、レーヴは手に入れることが出来ないのだ。


 ならレーヴがカティアの加護相手にくれるように頼んでくれと言ったら「兄上の財産であるムーンローズを俺がもらうなど、そんな頼みはしたくない」と断られてしまった。

 レーヴは面白そうに、俺が頼めば優しいカティアの加護相手は快く譲ってくれると思うよと口元を笑みの形にしながら言っていたけれど、それが出来たら苦労なんてしない!

 あの鋭い眼光に晒されたら全身の羽がすくみあがるし、膨らみ過ぎた頬が破裂するかもしれないじゃないか!

 思い出して尾羽をガタガタと震わせて頬を膨らませていると、女は申し訳なさそうな形でさらに口を開いた。


「ナーブ様……。私がカーディーン殿下に自ら花を求めると言うのは、あまりにも分不相応ではしたない行いでございます」


 意中の女に男が花を贈るのはよくあることだと聞いた。だからお前がまた会って、花をもらったらそれを俺にくれたらいいだけだ。


 簡単だと言わんばかりに言うと、女は顔を真っ赤にしながらも泣きそうな表情になっている。

 よくわからなくてくぴ、と首をかしげていると、鳥司から「下級貴族とはいえ、贈りものの花を奪うのはあまり褒められた行いではございません」と言われた。

 なぜ?欲しければ奪えばいいし、奪われたくなければ奪われないようにすればいいだけじゃないか。

 よくわからずにくぴーと首をかしげて女の困った表情を眺めていると、レーヴが俺を呼ぶ声がした。

 ここだと大声でくぴーくぴーと鳴きだした俺に鳥司と女が驚いていたが、しばらくして廊下の角から姿を現したレーヴに得心の言った顔をして頭を下げた。


「おや、ナーブはカーディーン殿と噂の女性と会っていたのかい?たしかシャナンと言ったな……。面を上げなさい」


 やってきたレーヴは微笑むように目を細めて俺を見て、その後女を見てから不思議そうな表情で尋ねた。

 女はやや困ったように微笑んでいる。

 そして何があったのかと尋ねたレーヴに、鳥司がこれまでの経緯を全部話してしまった。

 あっと思う間もなく、レーヴが輝く様な渾身の笑顔で俺を見ている。

 ……怒ってる。間違いなく怒ってる。


「ナーブ。後で宮に戻ってから、何故人の花を奪ってはいけないか私が丁寧に教えよう」


 俺は鳥司の手の上でしゅんと尾羽を下げた。

 そんな俺に構うことなく、レーヴは申し訳なさそうな表情で女に声をかけた。


「先刻までのナーブの言葉は忘れてほしい。守護鳥は人とは異なる価値観の持ち主だ。決してそなたやカーディーン殿を軽んじての言ではないので、ナーブの本意を違えることのなきように」

「いいえ、その様なことは決して……守護鳥様のお心に添えぬ、不肖のわが身をお許しくださいませ」


 女は申し訳なさそうに微笑んで言った。

 そんな女を見て、レーヴが思い出した様な口調で尋ねた。


「そういえば、そなたに尋ねてみたかったのだが……。そなたはカーディーン殿の姿が恐ろしくはないか?威圧する様な存在感と眼光は将軍としてはふさわしく立派であろうとも、そなたのような小柄な女性ではあの体格も姿も恐ろしいだろう」


 俺はレーヴの言葉に心からこくこくと頷いたが、女は少し思い出す様なそぶりをみせてから、気負いない声で柔らかく否定した。


「いいえ。確かに将軍として素晴らしくご立派であられますが、殿方の雄々しさは私の家で過ごせば見慣れた光景でございます。むしろ王族としての気品や将軍としての風格がにじみ出る立ち居振る舞いのカーディーン殿下は、我が家の粗野な者とは比べるべくもなく凛々しくていらっしゃいます」


 この女の家の男達はカティアの加護相手よりもよほど荒々しい姿の様だ。ぞっとする。

 そして小さいころから怖い男性は見慣れていると言うのは、なるほど素晴らしい説得力だと思った。

 同じことを考えていたのだろう、レーヴもなるほどとうなずいていた。そしてやたらとにこにこしている。これは怒っている笑顔ではない。


「カーディーン殿の素晴らしさがわかるそなたは素晴らしい女性だな。カーディーン殿は女性を見る目も素晴らしい様だ。我が自慢の兄上です」


 妙に饒舌でにこにこ語るレーヴを見て、女はちょっとだけ意外そうに目を丸くしてから柔らかく目を細めて微笑んだ。


「ザイナーヴ殿下は、本当にカーディーン殿下をお慕いしていらっしゃるのですね。お優しい瞳が、カーディーン様ととてもよく似ていらっしゃいます」


 今度はザイナーヴが目を丸くした。

 もちろん俺も丸くしている。レーヴとカティアの加護相手が似ているだなんて、この女の眼はおかしいと思う。

 鮮やかな青色のレーヴの瞳と、ぼんやりと薄い青のカティアの加護相手の瞳は全く似ていない。というか、性別以外に似ている部分なんて欠片も見当たらない。

 俺の青い羽の部分の方がレーヴの瞳と色が似てるんじゃないかと、自分の尾羽を確認しながら思った。

 俺が怪訝な表情で女を見ているのとは逆に、レーヴは少し嬉しそうな声音で言った。


「私にとっては好ましい言葉だが、さして兄上と親しいわけでもないそなたに私と兄上の似ている部分がわかるのかな?」


 どうやら予想外に嬉しかったようだ。言葉は試す様なものだが、兄上って言ってる。

 まぁ他の兄弟と似ていると言われていることはあっても、カティアの守護相手と似ていると言われていることなどまずないからな。


「確かに私はカーディーン殿下のことをよく存じ上げているとは思いませんが、ひとつだけ私にもわかることがございます。

 カティア様を見つめるカーディーン殿下は慈しむように、よく柔らかく目を細められております。ザイナーヴ殿下がナーブ様の御姿をご覧になった際も同じでございました。そして、カーディーン殿下の御名を言葉になさった際にも、目を細めて微笑まれました」


 だから似ていると、女はそう言った。

 目を細めて微笑みかけたのは目の前の自分ではなく、カティアの加護相手にだと。

 自分が微笑まれたわけではないと自覚しているのはいいことだと思うが、俺の頬はそれはもう膨らんでいる。

 はっきり言ってレーヴが兄と似ていると言われて喜んでいるだとか、俺と同じ眼差しをカティアの加護相手に向けてるとか、面白くない!!

 しかしそんな俺の様子は目に入っていないのだろう。レーヴは今度こそ目を細めて穏やかに微笑みながら言った。


「本当に……カーディーン殿は女性を見る目も素晴らしい様だ」


 女は今度こそほんの少し頬を染めながらにこりとその眼差しを受け取った。


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