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「下。見てみて。」


男に言われ、下を見る。



足を掛けた窓の冊子から覗き込んだその先は…


崖…


いや


奈落…


落ちたら死体も上がらないくらいの深さ。

底が深くて、見えない。



背筋が凍った。


先程の風に揺れていた木々は…?


倒れ込むように後ろに尻餅をついた。


声を掛けてくれなければこのまま……



「教えてくれて、ありがとうございました。」


「いやいや、思い止まってくれて良かったよ。」


別に、自殺志願者じゃないけど…


「そこからの景色、まるですぐそこに地面があるみたいに見れるでしょ?だから良く治療費踏み倒そうとしたり、ホテル代払えなくなった人たちが逃げようとして落ちたみたいだよ」


あー…だから、思い止まってね…


「お兄さん…足を怪我してるんですか??」


男の足のギブスに気づいた。

包帯の巻き方がめちゃくちゃだ。


「あーこれ、自分で巻いてるから雑でしょ?ここは病院兼ホテルなんだけど、医者が突然来なくなっちゃってね?自分で巻くしかなくて…むちゃくちゃだろ?」


男はギブスを触りながら言う。


男は外で何が起きてるか知らない…?


「来なくなったって…いつくらいからですか?」


「もう、何年も前かな?足がこうだから、外に出られなくてね…どうしたのか心配してるところだよ」


「え…あぁ…」


この人は外の様子を知らない?

ほんとに?


「君は…何だか……まぁ、いいや」


何だ……?


「久し振りに話し相手が来てくれて嬉しいよ。ありがとう。」


にっこり笑う男性。



違和感。



でも、この違和感の正体がわからない。


あっ!

と、突然男が思い出したように…


「忠告することがあるよ、怖いことが起きたら、部屋の中は安全だ」


って、昔君と同じ様な状況で入って来た人が言ってたよ。


「………」


昔、同じ様な状況で入って来た人…?


そんな人が居たのか。

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