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六
そこは借りた部屋みたいに静かだった。
昼間なので、日差しが差し込み
木々が風に揺れていた。
さっきの状況とあまりにも違う状況に、時間が止まっているのかと錯覚しそうになる。
窓…
窓がある!!
慌てて近寄り、窓を開けようとする。
「ガタガタ…」
開かない…
お約束過ぎる…
「ガタガタ、ガタガタ…」
下に留め金があるのを発見して、それを外し、力一杯開いた。
窓が開いた瞬間。
強い風が下から吹いた。
開いたのを確認して、窓に足を掛けたその瞬間。
「やめた方がいいよ。どうしてもって言うなら止めないけど。」
後ろから声がした。
恐る恐る振り返る。
ベッドに男の人が座っていた。