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遭遇
「……っ!」
そこに居たのは、今までと違う人たち。
何だろ、適切な言い方が出てこない。
言うならばゾンビみたいな腐った人。
目玉が垂れたり、無かったり。
肉はただれ落ち、服もボロボロ。
【それ】は一斉にこっちを見ていた。
顔を上げる。
売店の人も変わっている。
悲鳴を上げた瞬間。
【それ】が襲ってきた。
売店のは、手元にあったカッターナイフを降り下ろす。
間一髪避けたが、よろけてしまった。
そこに花瓶を持った…恐らく女の人であろうそれは勢いよく花瓶を降り下ろす。
体をずらし、避けると立ち上がると、近くの空いている部屋を探した。
鍵が掛かっているばっかりで、空いている部屋がない。
向こうから、ゾンビみたいな、腐った人達がこちらに向かって歩いてくる。
助けて
助けて
生命の危機を感じ、震える体を押さえながら、一つ一つの扉を確認していく。
自室とは逆の方向。
自室の方は【それ】の大群で埋め尽くされている。
白い虫が沸いている。
体に穴が空いている。
歯も抜け落ち、頬が爛れている。
助けて
タスケテ…
ガチャ
開いた!!
慌てて転がり込む。