表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
観測者は感情を知らない  作者: 白鐘
第一章 境界
11/26

第一章 人物録


■ マスター(35歳)


三十五歳。

社会的にも、法的にも、完全な大人。

逃げ場はない。


それでも、まだ選択の途中にいる。


性別:男


榛色の髪。

光に触れると秋の気配を帯びる。

エメラルドの瞳。綺麗すぎて感情が読めない。

背は高め。姿勢は穏やか。

微笑みは常備。角度調整可能。


35歳が17歳と18歳に囲まれて

唐揚げを見守っている図。


倫理的には大人。

精神的には、未確定。

選ばなかった未来が、まだ残っている。



■ ファニー(18歳)


十八歳。

昨日まで未成年。今日から自己責任。


性別:女


金髪ツインテール。重力に逆らう元気。

ピンクの瞳。怒ると濃く、笑うと淡い。

小柄だが、エネルギー密度が高い。


35歳に向かって

「ちゃんと言えよ!」と叱れる年齢。


無敵と未完成が同居している。

未来は、まだ自分の味方だと思っている。



■ シエル(17歳)


十七歳。

法律上は子供。


性別:男


銀髪をひとつに結ぶ。整いすぎて冷たい。

青い瞳。観察と分析。

長身で無駄のない動き。


17歳が

35歳の情緒を冷静に診断する。



■ シロ(年齢:数百年)


年齢不詳。


時代をまたぐ白。

金の瞳で三人を見下ろす。


「ようやく対等じゃな」


三十五と十八と十七を

まとめて子供扱いできる唯一の存在。



■ クロード(42歳)


四十二歳。


完成されている、と他人は言う。

時間を味方にした男。


性別:男


漆黒の髪はオールバック。

だが一筋だけ、前髪が静かに落ちる。

わずかにこけた頬。削ぎ落とされた輪郭。

琥珀の瞳。光を飲み込む色。

長身、細身。黒のスーツ。


立っているだけで、場の温度が半度下がる。

怒鳴らない。睨まない。

ただ、見ている。


保証は軽く口にしない。

線は越えさせない。

揺れない。揺れさせる側。


ときどき視線が止まる。

選ばなかった側へ。



ネギは似合わない。断じて。




~境界堂・就寝事情~


ファニー「ねえ、みんな寝方どうなの?」

シエル「急ですね」

マスター「就寝は大事だよ」

シロ「年寄り扱いするでないぞ」

ファニー「してない!」

マスター「僕は仰向けだねぇ」

シエル「無防備ですね」

マスター「安心して寝ていると言ってほしい」

ファニー「両手ちゃんと布団の上?」

マスター「気づいたら上にあるね」

シエル「棺スタイル」

マスター「言い方」

シロ「わしは丸くなる」

ファニー「猫じゃん」

シロ「白だからな」

シエル「私は横向きです。右固定」

マスター「決まってるの?」

シエル「壁側が落ち着きます」

ファニー「防御型だ!」

シエル「合理的です」

ファニー「私は大の字!」

マスター「布団からはみ出すタイプだね」

ファニー「自由!」

(静かな間)

クロード「……仰向けだ」

全員「へぇ」

クロード「両腕は横」

シエル「微差」

ファニー「絶対シワつかない寝方してる」

マスター「ネクタイ外してる?」

クロード「当然だ」

シロ「ネギは抱かぬのか」

クロード「抱かない」

ファニー「断言!」

マスター「よかった」

シエル「何がですか」

マスター「色々と」

ファニー「というわけで!」

シエル「平和なあとがきでした」

シロ「夜は等しく訪れる」

クロード「……消灯」

マスター「はいはい」

ファニー「おやすみ!」

シエル「おやすみなさい」

シロ「良い夢を」

クロード「……」

マスター「おやすみ、観測員さん」

(静かに暗転)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ