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終電  作者: 下東 良雄
8/13

主婦・冬美の「あと30秒」

 「たぶん本気だから。これで邪魔者はいなくなるわ」

 『オレの方もうまいことやるよ。もう少し待っててな』


 シャンパンが泡立つグラスを片手に、スマートフォンのスピーカー通話で男性と通話をしている冬美。


 「もうすぐ一緒になれるのね……」

 『娘はどうすんだ。あんなのいらねぇぞ』


 冬美は、くすりと笑みを浮かべた。


 「私もいらないわ、あんな子。施設にでも預けちゃいましょ」

 『あぁ、それがいいな』


 憎々しげな表情を浮かべる冬美。


 「さっきも母親である私に向かって生意気な口を……ひっぱたいてやったわよ!」

 『おいおい、児童虐待とかで訴えられちまうぞ』

 「大丈夫よ。さっき家飛び出していったけどね」

 『じゃあ、今から会いに行こうかな?』


 冬美は頬を赤く染めた。


 「今日は我慢して……ね?……また例の日に可愛がってくれる?」

 『あぁ、我慢した分、たっぷりと……な』


 壁掛け時計に目をやる冬美。


 「もうすぐ……もうすぐだわ……もうすぐあなたと……」

 『愛してるよ、冬美』

 「私も愛してる。愛してるわ、俊也(としや)さん……」


 冬美はとろけるような表情で、通話中のスマートフォンを見つめた。



挿絵(By みてみん)



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