『キツネと速記者』
キツネが初めて速記者と出会ったとき、キツネは速記がどんなものだか知りませんでした。
速記者が、毎日毎日、何時間も、速記の練習をしているという話を聞いて、ちょっとだけ見栄を張りたくなって、自分も速記の練習をしていると言いました。
速記者は、キツネを大層褒めてくれて、プレスマンを一本くれましたが、それを渡してくれるときに少しだけ触れた速記者の手が、まめだらけなのがわかりました。もちろん、速記者には、キツネの手が柔らかいことが知られてしまったことでしょう。しかし、速記者は、頑張れとだけ言って、次の町へと出立したのでした。
教訓:このキツネが、将来、動物の王様になる気がする。