問1 A
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「とりあえず俺の話を聞いてくれるか?」
起きたら見知らぬ場所でさっきまで戦っていた奴に
いきなり話しかけられる......その立場が自分なら....
ゾッとした
「混乱してると思うけど一つだけいいかな?」
自分が出せる最大限の愛想のいい話しかけ方で言った
そうすると彼女はベットから起き上がり
こちらを見てゆっくりと頷いた
「俺は敵じゃない...それだけ分かってくれる?」
困り顔をしながらまたゆっくりと頷いた
まだ俺を信用していないのは明白だった
でも何か言葉を発していないとと気が狂いそうだった
俺はすぐに口を動かした
「まず...自己紹介する...ね 俺は乙桐瀧 高校1年生です」
心が落ち着かない
言葉が上手く出てこない...変な喋り方
この少女が何か知っている
それを聞き出したくてしょうがなかった
また俺はしきりに口を動かした
「実はここ1ヶ月の記憶が無いんだ...信じてくれ」
「俺が君を殺そうとしたってどういうこと?」
「君の後ろに居た悪魔は俺を襲った悪魔?」
「この力ってどういうことなの?ねぇ!ねぇ!!」
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「待ってください!落ち着いてください!」
思ったよりも高い声
その声が聞こえた瞬間ハッとなって正気を取り戻した
「......ごめん......」
優しく俺を慰めるように
彼女は話した
「乙桐さんの話信じます.....私がこんな事しなければ......」
ふぅ......よかった......
でもこんなあっさり信じてくれるものなのだろうか
殺す殺される、そんな状態だった二人が話し合いで
どうにかなる事なんてあるのか?
「なんで俺の事信じてくれるんだ?」
「実は彼が見ていたんです......もう出てきていいよ」
「あっ......」
彼女の後ろから"悪魔"が煙のように浮かんできた
背筋がゾッとして震えが止まらない
やっぱり俺は殺されるのか?
「自己紹介がまだでしたね 私は結友楓 それでこの子がアリエスです」
「ったくこんな奴が次の候補なんて見る目ないな」
これは一体.....どういう事なんだ?