Q
「龍頭落とし!」
気合いで思い切り振りかぶった斬撃で
謎の人物はうつ伏せで倒れ込んでいた
切った手応えがあった
野菜を切る時の包丁のような生々しい感覚
「俺が殺したのか......」
いや...待てよ? 刀で切ったはずなのに血痕が
ひとつも無い...こいつまだ生きてるのか?
「おい...大丈夫か?」
フードをめくると黒いマスクをしていた女性がいた
マスクを取り何度か話しかけたが
返事がない...しかし小さく呼吸していた
女の子...正直性別もない神とかの存在を想像してた
でも今の斬撃で血も出てないのは多分俺の見た
何か"悪魔"的な物がこの世にはいるんだろうな...
その時心の中で(人を殺してない)と安堵していた
俺は人を殺す程強くない...心のどこかで
こいつを殺したくないと思っていたのだろう
俺の記憶の無い1ヶ月間
俺がこの女の子に殺されかけた理由
心とは裏腹に言葉を発してしまう事
そしてこの腕や脚が治った"力"と悪魔の事
彼女に色々と聞きたいことがある
とりあえず家にこの人を運びますか....
おんぶしてみると意外と軽いな...小柄だからか?
俺の家までジャン......
って高すぎる!
力の調節についても聞かないとな......
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なんとか自宅に着き
担いできた彼女をベットに寝かした
ぐはぁ...疲れた...
女担いで家なんか入ったら母親に色々言われて
めんどくさいだろうから窓から入ったけど...
この窓結構小さいな...よく入れたなこの人.....
自分の部屋の時計は深夜の4時を指していた
とりあえずこの女の子が起きるまで俺も起きてよう
寝てる間にまた襲われるかもしれないからな
しばらく時間が経ち 5時頃
鳥が鳴き始めると同じ時に彼女は目を覚ました
聞きたいことが山ずみなんだ...暴れないでくれよ...
「とりあえず俺の話を聞いてくれるか?」
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