あの日 2
「はっ....」
あれ...死んでないのか
死んでいたと確信していた事も不思議だった
夢だったのか?それにしてもあんな痛み初めてだ...
...まだ眠い...なんで...
目覚ましの音が鳴った 酷く頭が痛い
もう朝だ、風呂に入るのも忘れていた
6月12日...今日は最悪の日だな
急いで朝の支度を済ませ家を出たのに
学校...に向かう...そう歩いていた筈なのに
記憶が飛んだのか?
何故か放課後になっていた
寝起きって訳じゃないらしい
眠くないし目もしっかり開いている
黒板を見ると"7月12日"手元には「今年の夏休みは
7月20日から8月20日まで」と記された手紙がある
1ヶ月間の記憶が無い...嘘だろ、書き間違えてる
自分のバックから携帯電話を取り出すと
7月12日と表示された
これは一体どういうことなんだ?
「乙桐くん!」
女性の明るい声
背面から突然聞こえた声に体が「ビクッ」と反応した
「急にごめんね?理科室の掃除手伝ってくれ」
「手伝うよ! 他の人でも誘って掃除してくれ」
(面倒くさいな 他の人でも誘って掃除してくれ)
本心が言葉となって漏れた
「いやそういうわけじゃないんだ!」
カバーするように言葉を発したがもう彼女は
暗い顔をしていた
「そうだよね!急に手伝ってとかごめんね」
そう言うと立ち去って行った
謝る事が考えられない程俺の頭は混乱していた
何かがおかしい、とりあえず早く帰ろう
急いでバックを取り駆け足で教室を出た
「おっタッキーやん!そこの傘取ってくれない?」
昇降口で呼び止められた、今から出ようって所なのに
自分で取ってくれよ...まぁ取ってやるか
「自分で取ってくれ!」
「あぁ...悪いな...」
口が思うように動かない、思った事が気づいた時には
言葉として喋っている...おかしい...なんなんだよ...
雨が降っている事にすら気づかないほどの混乱状態
早く...速く...急いで帰らないと
学校を飛び出して家まで無我夢中に走った
バックから鍵を取りだし自宅の扉を開いて
2階の自分の部屋へと駆け上がりベットに倒れ込んだ
もう何が何だか分からない、あの夢からおかしい
記憶の無い空白の1ヶ月間の事も
思った事が口に出てしまう事も
何もかもあの夢あの日"6月12日"から変になっている
...眠い...なんで...こんな時に...
え...俺は寝ていたのか?今は何時なんだ?
スマホは...どこにある...
その時第六感なのか"何か"が来ると感じた
-そう感じた次の瞬間には俺は何かに刺されていた-