あの日 1
なんだか眠い...急になんなんだよ
こんなに眠いなんてなんか不思議だな...
「ただいま」
「おかえりなさい」
「今日はなんだか眠いから夜ご飯は要らないよ」
「そうなの?お腹減ったら何時でも降りてきてね」
階段を上っていくと手前に流兄さんの部屋があり
突き当たりに自分の部屋がある......
もう12年も経ったんだな、7月20日俺の3歳の誕生日
兄さんはと父さんは行方不明になった......
って母は言ったけどなんとなく分かってる
きっともう会えない、死んでいる......
入学したばっかりなのにこんな感じの俺って...
兄から父からどう思われてるんだろうな
そう考えた時襲って来る睡魔に勝てなかったのか
気づけばベットに横たわっていた
...暑いな....なんでこんなに暑いんだ...
....やけに暑い...まだ6月だぞ?....
意識が曖昧な中そう思っていた
何時間寝ていたのだろうか
少なくとも窓から見える景色は真っ暗だ
ん?
真っ暗っておかしくないか?
俺の部屋は2階の突き当たりで
家の前の道路にある街灯の光が見えるはずなのに
少しの光も見えず暗闇がある
その暗闇...黒が窓から自分の部屋に入ってきた
全身に恐怖が走って声が出なかった
その黒 一切の光が無いのにその形がうっすら見えた
人型のような、羽があるようにも見えた
窓からおそらく"黒"の体が入りきった
月明かりが照らし"黒"の頭部、顔が分かった
人...にも見える、目と鼻と口がある...なのに
耳が頭の上についている...まるでうさぎみたいに
そして目を凝らしてその"黒"を見ると俺は悟った
自分がここで死ぬのだと
俺が見た"黒"は悪魔だった
羽があって針のような細い指
この世のものとは思えない表情をしていた
直感で死ぬと思った
「うっ....」
全身に感じたことの無い痛みが走った
痛い...痛すぎる...
叫ぶこともできず助けを呼ぶこともできない....
その悪魔が俺に覆いかぶさってきた
俺はなんでこんな死に方しないといけないんだよ...
俺が現実に退屈してたからなのかな...
体乗っ取られたりするのかな...ははっ笑えねぇ...
-俺は死んだ-