プロローグ
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もし、自分が神様になれたなら
俺は世界を平等にするだろう
でも、平等な世界はきっと.......
...退屈だ
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考える、俺は考える
俺の存在は"それなり"だと思う
一人の男性がいた、それは大工だった
一人の女性がいた、それは医者だった
その男性が仕事中に足を滑らせ足場から転落する
そして病院へ運ばれる
その女性が男を手術し命を救う
そして男性と女性はやがて運命を共にする事になる
そんな2人が結婚して生まれたのが俺だった
とりあえず生まれた俺の自己紹介でもしておこうか
己桐 瀧 16歳
今年高校一年生になった、"それなり"のイケメンである...
話を戻そう
自分の存在を"それなり"だと思う理由は"それなり"にある
母親が医者だからか
家庭は"それなり"に裕福だった
母親は忙しい時間の合間を縫って
できるだけ俺という子供に使おうと必死に努力していた
父親が転落事故からは仕事を辞め専業主夫となり
育児をしていた、家事で忙しいのに子供との交流も
欠かすことはなかった
そうして育った子供、そう俺は
勉学は"それなり"にできて運動も"それなり"にできる
さっきも言ったが"それなり"に容姿も良い
名付けるなら"それなり君"だ、どこぞのアイスじゃない
ここまで言うと嫌味に聞こえるかもしれないが
俺はこのそれなりは普通では無いことは分かっている
俺はこのそれなりが貴重だという事は分かっているのだ
完璧とはいかない、大金持ちでもない
容姿が、勉学、運動が本当に良いとは言いきれない
100%ではない、60、70%の存在
それが俺の、"それなり"な人生で
俺の存在を"それなり"だと思う理由だ
もう一度言おう
だから俺の存在は"それなり"だと思う
考える、俺は考える
"それなり"ではないと思う
俺は、分かってるんだ、この矛盾を
今まで述べていた"それなり"だと思う事が関係ない程に
たった一つで覆る物がある事を
この
感情、気持ち、思い、意思は"それなり"なんかじゃない
"それなり"じゃない、これはおかしいと分かっている
"それなり"じゃないんだと再認識する
この物をあえてこの表現で言おう
俺は
"それなり"に死にたい
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