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プロローグ
父さんは、高校教師をやっていた。
しかし、それは過去のことになっていた。
その理由は暴行で父さんの担当の生徒が校長先生に「学年で一番成績が悪かった者は即退学だ」と言われ殴ってしまい、父さんはそれを止めようとして無意識に自分もその生徒に手を出してしまっていたからだ。
その後、その生徒も父さんも高校を辞めたのは言うまでもない。
母さんは、辞めた日の夜に荷物をまとめ家を出て行ってしまった。
何も言わず、置手紙さえ書かずにたった1人で。
現在は、1年間仕事を探し歩きやっとまともな仕事をしている。
1年間努力して見つけた仕事は、街中にある小さい塾であった。
あんなに努力したのにと思うが、父さんは今年で40歳なので雇ってくれないのは当たり前だがこれでいいのだと思う。
そんな父さんの名前は、進藤道重という見るからに渋い名前だ。
そして、今まで父さんを紹介してきた自分が進藤真那(主人公)で長女。
上に兄が1人と下に双子の弟妹が2人いる。
こう考えると、よく1年ももったなって感じがするのだが…。
こうして私たち5人家族の生活が今日も1日始まろうとしている。