刃毀れした刃の向かう先
届かない刃は彼女には無意味だ
それは空を切ることすら有り得ない刃
僕が取り出した無意味な刃は刃毀れして
彼女に毀れた欠片だけを飛ばし皮膚一枚を切り裂く
使い物にならない僕の刃は使い物にならなくなった
本当に何も切れないただの金属板になってしまった
それは彼女にとって幸せなことなのだろうか
きっと僕の本心と彼女の本心と
僕が思う彼女の心と彼女が思う僕の心は違う
中途半端に感じる
中途半端さに少なくとも僕の刃が重なる
だから刃毀れするくらいまで手入れを放置していた
この刃で彼女を刺すべきだろうか