架空の演説を作ってみました。
ここにお招きいただいたリュア国の大統領のスミス様に感謝いたします。私たちがここにいるであろう、その理由を突き止めるべく、私たちは朝から議論してきました。私の前に発表したみな様にも、心から感謝の意を表します。しかし、私は言わせてください。私たちがこれまで朝から話し合ってきたことは「世界からいかに貧困をなくすか」ということでした。私たちはどこまでの貧困を救い、どこからの貧困を切り捨てるか? それを私たちは自ら設定するのを私自身が目を瞑ってはいないのでしょうか?
古き時代のヨーロッパを代表するアレクシス・ド・シェンゲンはこう言いました。
私たちは三重の意味で目を瞑っている。過去に対しては無かったことで、現在に対しては無関心で、そして未来に対して責任を果たそうとしない。
これは、この会議にお越しになった由緒正しい各国の教養あるみな様は学校の古典の時間で習いましたでしょう。私の母国シャーラールは産業革命から取り残された国でした。それもあり、今でも農林水産業の輸出国として世界に誇っています。もちろん、私の国にも貧困はあります。しかし、それを歴代政権は改善しようとしなかった。まさに、シェンゲンの言うように貧困を創り上げた過去はなかったこととして、現在の貧困に無関心で、そして未来ある子供たちにも責任を果たそうとはしなかったのです。
最近、税金を払う立場の企業や政府首脳が税金を払っていないことが国際的な問題になりました。「どこまでも、どこまでも金を儲けよ」という強欲資本主義がまさしく貧困を正そうとはしないのです。だから、作っては売って、作っては売ってという商品の支配がまさしく人を支配しているのです。
石器時代を見習え、というわけではありません。
私たちには過去の偉大な思想家や政治家などがいます。
私たち人類は地球というひとつの屋根の下に住んでいのです。その時点で私たち人類は家族です。かつてノーベル平和賞を受賞したマザー・テレサはこう言いました。
「私たちの最大の敵は、無関心です」、と。
みな様の最大の敵も、無関心ではありませんか。
お聴きいただきありがとうございます。