表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/9

1 名前

 そんな出会いから1ヶ月が経ち、舞彩はやっとこの状況に慣れ始めていた。


「ねぇ、そろそろ貴方達の名前を教えてくれてもいいんじゃない?」


 舞彩は5匹のオコジョたちを前に、尋ねていた。


「僕達の名前?」

「気になるの?」

「必要ないよ」

「言う必要はないですが?」

「まあまあいいじゃん」


 どうやら、口々に話し始めるオコジョたちは一向に教えるつもりはないらしい。


「教えてくれてもいいじゃない! このままだったら、何て呼んだらいいのかわからないわ……」

「君の好きなように呼んでくれてかまわない」

「何か好きなものを当てはめて呼んでくれた人もいたね~」

「好きなもの?」

「そう。つまりは適当に呼んでくれ、ってことだ」

「わかった!」


 そう言うと舞彩は机に向かい、なにやら作業を始めた。


――10分後


「できたぁ!」

「何ができたの?」


 わらわらと舞彩の周りに動物達が集まり始めた。


「はい。君は明るいからライくん! 君はマイペースだからノンくん! そっちの君は凛としてるからリンくん! こっちの君は大人びてるからヨリくん! そして君は人懐っこいからコウくん! どうかな……?」


 舞彩は即席の名札を作り、それぞれのオコジョの首から提げた。


「わぁ~! 名前だぁ~!」

「どうもなにも、好きに呼んでくれたらいい」

「じゃあこれからその名前で呼ぶね!」


 舞彩は満面の笑みを浮かべ、オコジョたちを見つめた。


「――いいから、王子様とやらに手紙書きなよ」


 照れたような口調でリンが言った。


「うん! いくらでも書いちゃうよぉ~!」


 ニコニコと上機嫌な舞彩はペンを走らせた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ