二度目の訪問
俺は実栞ちゃんの家へと着いた後、美香ちゃんの部屋に通された…
実栞「あの…いきなりなんてすけど…」
旭陽「うん」
実栞「私の過去の話…聞いてもらってもいいですか?」
旭陽「過去?」
実栞「はい、私の…」
旭陽「いいよ、話して?」
実栞「はい…」
旭陽「…」
実栞「私…中学校の時から虐められてたんです…」
実栞ちゃんがゆっくりと話を始めた
旭陽「…」
実栞「気に入らないって言われて…髪の毛を切られたりとか、教科書燃やされたりとか…」
実栞「…毎日、家の近くの公園で泣いてました…」
実栞「でも、その時にある人が助けてくれたんです」
声のトーンが少しだけ上がった
実栞「私…凄く嬉しかった…」
実栞「でもその人は、私を庇ったせいで虐められたんです…」
実栞「毎日校舎裏で殴られて…蹴られて…そして…自殺したんです…」
旭陽「えっ?」
実栞「自殺する少し前に、その人の好きな女の子がその人の目の前で集団暴行されたそうです」
旭陽「…そんな…バカな…」
実栞「結局、集団暴行された女の子は病院で意識不明の重体になったそうで、集団暴行したいじめっ子達は警察沙汰…」
実栞「そして、そのいじめっ子達は学校に戻ってきたけど…あの人は死んでしまった…」
旭陽「…それを…何で俺に?」
なぜそれを俺にその辛い過去を話したのか理解できなかった…
実栞「心配なんです…私のせいで旭陽さんは虐められたりしてませんか?」
旭陽「虐められてなんかないよ」
実栞「本当?」
そして俺はある提案をする…
旭陽「あぁ、だったらさ…これからは何かあったらお互いに相談しよう?」
実栞「相談?」
旭陽「うん、一人で耐えきれなくなったら互いに相談した方がいいと思うんだ」
実栞「…します…だからその時は…助けてくださいね?」
旭陽「うん…助けるよ」
実栞「…やった」
実栞ちゃんは小さくガッツポーズをした…
そして話が終わってすぐ俺は家に帰った…
しかし、実栞ちゃんが言っていたことが気になった
旭陽(俺にも虐めは来るのかな…)
新しい悩みが着々と増えるなか、今日という日は過ぎていった…