実栞からの突然の誘い
旭陽「…」
実栞「…」
俺は今、実栞ちゃんと二人で帰宅路を歩いて帰っている
お互いの家が近いことは昨日発覚したので帰り道も一緒なのだが…
麻妃「私は先に帰るねー?お二人さんごゆっくりねー」
琉依「悪りぃ、俺用事あるから先帰るわ」
あの二人…さっさと帰って俺たちを二人きりにしたのだ
旭陽(何を話せばいいんだろう…)
そして…
旭陽「じゃあ俺の家向こうだから…じゃあね?」
挨拶だけでもして別れようと思ったその時…
実栞「あの!」
旭陽「ん?…何?」
実栞「今日も…」
旭陽「えっ?聞こえないよ」
実栞「今日も家に来れませんか!?」
大声で実栞ちゃんはこう言って顔を真っ赤に染めた…
旭陽「いいよ?別に」
旭陽(可愛いなぁ…)
実栞「本当っ?やったぁ!」
初めて聞いた喜びの声…
それは見ているこっちまで嬉しくなるような笑顔だった
旭陽(この前の暴力事件が嘘みたいだ)
俺は昨日の光景を思い出した…
一人の少女が三人の少女に集団暴行を繰り返される…
そんな嫌な光景…
あの時のいじめっ子がいなくなった後の実栞ちゃんの涙を俺は忘れないだろう…
ふと、そう思った
旭陽(俺にできることがあれば…)
俺は実栞ちゃんと接する機会を増やそうと心に誓った…