あとがき
まず、ここまで読んでくださった皆さんに、心から感謝いたします。
あとがきでは少しだけ“言い訳”をさせてください。
最初に一つ。
「この話ってSFじゃないの?」
きっとそう感じた方も多いと思います。実際、私自身も最後の最後まで、現代ものとして出すか、SFとして出すかで悩みました。
それでも、最終的には当初の計画通り「現代ドラマ」として公開することにしました。理由は主に以下の3つです。
1.SF的な要素は極力排除し、意識しないように書いたこと。
2.物語のテーマが、遠い未来ではなく“もうすぐ起こるかもしれない現実”であること。
3.エルスの稼働が2025年で、まさに“いま”であること。
正直に言えば、完成した作品を読み返す中で「やっぱり少しSFっぽいな」と思った部分もありますし、SFとして分類し直すことも一瞬考えました。でも、描きたかったのは“技術”ではなく“心”だったので、このままにしました。
ジャンルに対するモヤモヤを抱いていた方が、少しでも納得してもらえたら嬉しいです。
そしてもうひとつ。
「このエンディングで本当に終わり?」と感じた方もいるかもしれません。
実は当初の構想では、物語の続きをもう少し掘り下げる予定でした。ただ、それを描くと青春ドラマの枠から離れてしまいそうだったので、この作品ではあえて描きませんでした。
その代わり――現在、続編を執筆中です。
今度はSF色を強め、しっかりと“未来”に向き合った物語に仕上げるつもりです。
もしこのエンディングに物足りなかった方も、続編にご期待いただければ幸いです。
なお、作品に対するご意見・ご指摘などがあれば、ぜひ教えていただけると嬉しいです。自分の書いたものには愛着がありますし、もっと良くしたいと常に思っています。
改めて、最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。