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傷ついた心3

 その表情に、アマリアはどきっとする。


 フレイディと同じ、美しい金色をした瞳はどこか固い。


 心配そうでもあった。


「……フレイディと夫婦喧嘩でもした?」


 フィオナは快活な見た目と同じ、はっきりものを言う性格だ。


 ずばっと聞かれて、アマリアは詰まってしまう。


 多分その通りだろうと思ってしまって。


 喧嘩なのかはわからないが、いさかいに違いはないだろう。


「い、いえ、……そういう、わけでは」


 でもはっきりそうだとは言えない。


 フレイディに失礼だろう。


 よって否定したのだけど、その声はもごもごしてしまった。


 フィオナが信じるはずもなかった。


「そう。それは困ったわね」


 アマリアの否定はまるでなかったように流されて、頷かれた。


 アマリアは慌ててしまう。


「い、いえ、本当に」


 急いで否定し、なにか説明しなければと思ったのに、そこでフィオナが一歩踏み出した。


 アマリアのすぐ前まで来る。


 それでなにをするかと思えば、そっと手を持ち上げ、アマリアの頬に触れてきた。


 フィオナのほうがいくらか長身なので、アマリアの頬に触れるのに支障などなかっただろう。


 アマリアはどきっとしてしまう。


 フィオナの手のやわらかさ。


 フレイディとはまったく違う手つきと、手の感触。


 でも、同じようにあたたかくて優しいと感じた。


「自覚がないの? 若奥様にこんなお顔をさせるなんて、弟ながら許せないわね」


 慈しむように撫でて、言われて、アマリアは頬を包まれたまま詰まった。


 それほど様子に出てしまっているとは思わなかった。


 そんなアマリアを数秒見つめていたけれど、フィオナは不意ににこっと笑った。


 アマリアがきょとんとしてしまうくらい、急な変化だった。


 ぱっと手も離される。


「わかったわ。このお義姉さまに話してごらんなさいよ。いいようにしてあげるから」


 自信満々に言われて、アマリアは目を白黒させてしまった。


「え、え……!?」


 どう反応していいかわからないうちに、フィオナはそう決めてしまったようだ。


 アマリアを急かしてくる。


「それならひとまずお茶ね。奥の部屋へ行きましょ」


 絵が途中だとか、エプロンを洗濯に出さないとだとか、色々あったけれど、それは後回しになってしまった。


 アマリアは何故か楽しげにも見えるフィオナに連れられて、急なお茶の時間へ向かわされてしまった。

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