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仲たがい4

「あれは知人の娘さんだ。それだけだよ」


 それでもフレイディは答えをくれた。


 だが何故か、吐き捨てるような言い方だった。


 フレイディがこんな口調でものを言うところなど、アマリアは今まで接したことがない。


 胸が冷えるやら、恐ろしくなるやらで、なんとか口を開いた。


「そ、そうでしたのね」


 でもそれしか言えなかった。


 これ以上、なにを言っても火に油な気がする。


 そのとき、がたん、と椅子が鳴った。


 アマリアが、はっとして視線を上げると、フレイディが席から立ったところだ。


「……すまない。ちょっと用を思い出した。お先に失礼するよ」


 なにか、痛みを堪えているような表情だった。


 怒りより、不快より、それが一番強いような気がする。


 アマリアはその表情を見て感じた。


「はい……。本当に失礼いたしました」


 フレイディのそれは、明らかに取って付けた理由だった。


 本当のことのはずがない。


 だがアマリアにそれを指摘することも、引き留めることも、できたわけがない。


 ただ肯定し、もう一度謝った。


 フレイディはそのアマリアを残して、サンルームを出ていってしまう。


 サンルームのドアが閉まってから、アマリアは小さく息をついた。


 怖かった、と思った。


 フレイディのあんな様子は初めて見て、接した。


 気分を害した様子は恐ろしさすら感じられたけれど、多分自分が悪いのだ。


 勝手に資料を見て、気軽に話題にしてしまったから。


 それがフレイディには気に入らなかったのだろう。


 やっぱりやめておくべきだったのね。


 アマリアは今更すぎる後悔をした。


 倉庫に入ることを許してもらったとはいえ、なんでも好きに見ていいとは言われていなかったのだ。


 だから自分が軽率で不躾だった。


 ……悪いことをしてしまったわ。


 アマリアはしゅんとしてしまった。


 フレイディに謝らなければ、と思った。


 けれど、きっと今の状態のフレイディにはなにを言っても通じない気しかしないし、そもそももう二度、謝った。


 時間を置いて、落ち着いてから改めて謝るのが無難だろう。


 楽しかったお茶の時間が、急に妙な空気になってしまった。


 でも自分が悪いのだ。


 そう思い知り、アマリアはもう残りのお茶もスコーンも手をつける気になれなくて、そのまま自分もサンルームをおいとまするしかなくなってしまった。

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