仲たがい1
「今日はあたたかいね。明るい場所でお茶でもどうかな」
春の陽射しがぽかぽか気持ちのいい日。
楽し気なフレイディに誘われて、アマリアは肖像画に取り組んだあと、サンルームでお茶を飲むことになった。
初めてこの宮廷に招かれたとき、ここでフレイディとお茶を飲んだ。
サンドイッチもスイーツも美味しかったことを思い出して、懐かしい気持ちになる。
あのときの会話もとても楽しかった。
「もうすっかり絵らしくなったな。どこまで作り込むんだい」
今日は春らしいハーブティーを淹れてもらい、味わいながらフレイディが聞いてきた。
アマリアの描く絵も、もうだいぶ佳境に入っていた。
あと三、四ヵ月ほどで完成となる予定なのだ。
最後の一ヵ月は丁寧に微調整をしたいし、ここ二ヵ月ほどでほぼ完成状態にしておきたいところだ。
「ええ。まだまだ色を重ねてまいりますわ」
アマリアもハーブティーをひとくち飲む。
草のような香りが鼻に抜けた。
青っぽい香りと味だが、これがむしろ春を感じられる味だと思えてしまう。
お茶菓子はシンプルにスコーン。
塗るのは春摘みいちごのジャム。
先日、厨房で煮て作ったのだという自家製だ。
甘さが控えめで、いちごのフレッシュな味がたっぷり味わえる。
「どこまで塗られるのか楽しみだね。顔なんかももうはっきりわかるのだし」
「そうですわね。でももう少し、陰影を入れたいところです」
穏やかに絵の話が続く。
そのうち話は、アマリアがしばらく前に見つけたノートについてのことになっていった。
絵の進捗や記録については、もうとっくに最後まで読んでしまった。
少し教師についていた期間もあるものの、自己流で進めていた部分が多かったアマリアには、大変参考になったものだ。
それを参考に少し直しを入れてみたり、やり方を変更してみたり……参考になる以上だった。
むしろ教本にも近くなったかもしれない。




