表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
78/128

知らない少女の絵2

 アマリアはあまりメモを取る習慣がないのだが、画家によっては進捗や、思ったことなどを記録しておくことがある。


 過去に肖像画を描いてもらったときは、画家がノートになにか書きつけていたこともあった、とフレイディに少し前、聞いたのだ。


 それで俄然、興味が湧いてしまったというわけ。


 自分で描く参考になるだろう。


 なにしろプロの画家なのだから。


 ノートや紙をまとめたものという形状だろうから、紙ものがありそうなところを重点的に見ていく。


 あちこちものをどかしたり、引き出しを開けたりして、三十分近くが経っただろうか。


 乱暴にするとほこりが立つので、ゆっくり進めていたのもある。


 アマリアが探しに来たものは無事見つかった。


 それはやわらかな革の表紙がついたノートだった。


 表紙に年号や日付、そして大きめに『肖像画記録』と書いてあるのですぐにそれと知れた。


 アマリアは見つけられたことに胸が湧きたち、またどきどきしてきた。


 そっと表紙を開くと中の紙はやはり少々傷んで、黄ばんでいたけれど、読むのに支障はなさそうだった。


 紙をめくり、少しだけ読んでいく。


 求めていたものだと確信は深まっていき、アマリアは笑みが浮かんでしまった。


 詳しくは自室で読んでみようと思う。


 表紙を綺麗に拭いて、少しお日様に当ててほこりを飛ばして……じっくり読むのはそれからだ。


 目的のものは見つかった。


 これで良いことにしようかと思ったアマリアだったが、その肖像画記録が入っていた引き出しの中に、また別のノートがあるのに気付いた。


 しかしこちらはアマリアが見つけたものより、もっと古いように見えた。


 表紙が既に、破れたりしているところがあるくらいだ。


 アマリアは興味を惹かれた。


 同じ場所に保管してあるくらいだ。


 同じように絵の進捗についてのノートかもしれない。


 こちらも少し見てみよう。


 そう思って手を伸ばしたのが、良かったのか、それとも間違いだったのか。


 そっと表紙のほこりを拭い、開く。


 さっきのノートと同じように見ていったけれど、すぐに疑問を覚えた。


 肖像画を描いた記録には間違いなさそうだった。


 けれど一体、誰を描いた記録なのかがまったく不明だったのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ