宮廷への帰宅1
「大変なことになったが、無事に帰ってこられてなによりだ」
数時間後。
フレイディとアマリアは無事帰宅し、レノスブル卿の前で今回の経緯を説明して、頭を下げていた。
レノスブル卿は少々「困ったものだ」という顔はしていたものの、そんなふうに言ってくれる。
アマリアは頭ごなしに叱られなかったことに安堵した。
「私の読み間違いでした。本当に申し訳ございません」
フレイディはもっと心配だっただろう。
固い口調でそう言い、もうひとつ頭を下げる。
「そうだな、もう少し慎重にすることを覚えたまえ。……今日は片付けることがあるのだったな。詳しい話は夜などにしようか」
「かしこまりました」
それで話は終わった。
元々、フレイディが今日、自宅で仕事の予定が入っていたので帰ることを決めたのだ。
そちらの用事に行かなければいけない。
そのままフレイディとは別れて、アマリアは一旦自室に戻ることになる。
まずは昨日入れなかった風呂に入って、服も着替えて、落ち着きたい。
「アマリア様! ご無事でなによりでしたわ」
部屋を出るとハンナがそこに控えていた。
心底心配した、という顔で言うので、アマリアは申し訳なくなった。
心配をかけてしまっただろう。
「大丈夫よ。フレイディ様がご一緒だったから、なにも怖いことなんてなかったわ」
連れだって歩きながら、アマリアは昨夜のことを説明した。
流石に二人、寄り添って眠ったということは伏せたけれど。
それでも無事だったと話してハンナにも安心してほしかったから、その他は詳しく話しておいた。
ハンナは昨日、用事があったため、アマリアの外出についていくのは別のメイドになっていたのだ。
その子も仕事ができれば気の利く性質であったので、出先でアマリアが困ることなんてひとつもなかった。
だけど宮廷に残されたハンナはアマリアがあんな事態になって、どれほど肝を冷やしたか。
心配をかけてしまって申し訳なく思う。
「それにしても、フレイディ様ととても仲が深まられましたのね」
部屋に入り、一日ぶりの自室にアマリアが心から安堵したとき、ハンナがてきぱきと風呂に入る支度をはじめながらそう言ってきた。
「え、どうして?」
アマリアは疑問を覚える。
どうしていきなりそういうことになるのか。




