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初夜は甘くて、ほろ苦く……?4

「だが、契約とはいえ、きみを若奥様として迎えられたことは、本当に嬉しく思っているんだよ」


 ふと、話は別のところへ行った。


 アマリアはもう残り少なくなったココアを飲みながら、疑問に思う。


「そうなのですか?」


 シンプルに聞いてしまったけれど、フレイディは笑みになり、とんでもないことを言ってのけた。


「ああ。きみに惹かれているからね。幸せだと思うよ」


 アマリアの思考は一瞬、停止した。


 惹かれている……?


 それはおかしいではないか、と思ってしまったのだ。


 だって契約だと自分で言ったのに。


 この言い方では、まるでアマリアを好いているから結婚したような気持ちだと言っているようなものだ。


 まずは不思議に思う気持ちが浮かんだが、すぐに別の感情もやってきた。


 すなわち。


 惹かれている。


 つまり、好かれているということだ。


 そんなふうにひとから、いや、男性から言われたのは初めてだった。


 アマリアの顔と胸が、一気に熱くなる。


「な、なにを、おっしゃいますの」


 慌てて言った。


 声も言葉も動揺してしまった。


 なのにフレイディはそんなこと、気にした様子もない。


 それどころか座り直して、アマリアにもっと近くなるような位置へやってきた。


 アマリアの心臓は今度、どくん、とはっきり跳ねる。


 肩が触れた。


 もう少し腕でも伸ばされれば、抱きしめられてしまいそうな距離だ。


「なにをって、契約だろうと結婚したいと思うなんて、好いていて当たり前だろう? なんの好意もない女性を相手にするなど、契約だろうとも持ちかけたりしないよ」


 一気に近くなった距離で言われた声は、なんだか甘かった。


 アマリアの胸の鼓動をますます加速させてしまうような言葉と声だ。


 しかし恥ずかしく思っているだけでは済まない。


 言われている内容がとんでもない。


 好かれているのだ。


 そんなふうにフレイディが思ってくれていたなんて、知らなかった、と頭に浮かんだ。


 てっきり肖像画が欲しいから、それで気軽に提案してきたのだと思ったのに。


 それだけの意味ではなかったと言われてしまったのだから。

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