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花嫁姿は美しく

 翌日の、ついに結婚式当日。


 アマリアの支度はハンナ以外にも、たくさんの侍女やスタッフによっておこなわれた。


 メイクアップやヘアスタイルのスペシャリストが主であった。


 丁寧に、抜かりなく、上品ながら、まだ若い女子なのでかわいらしさもあるメイクアップ。


 パーティーなどで幾度も経験しているとはいえ、今回は最上級のクオリティ。


 アマリアは純粋に嬉しくなってしまった。


 綺麗な姿にしてもらえるのは嬉しい。


 特別に仕立ててもらったウエディングドレスを着て、メイクとヘアセットも終われば、アマリアは大変美しい姿になっていた。


 ウエディングドレスは勿論純白。


 プリンセスラインのもので、スカートはふんわりボリュームがあり、トレーンは長めで優雅な印象。


 胸元は空きすぎず、上品な程度に。


 イヤリングやネックレスなどのアクセサリーは、濃い目のシルバーとパールを基調としていて、アマリアの銀色の髪によく似合っている。


 髪は前髪を横に流し、後ろはかわいらしいアップスタイル。


 そこへパールと花がメインの髪飾りがついたヴェールをつけてもらった。


 このような大変美しいアマリアの姿を見て、ハンナが我が娘のことのように、既に目元を拭ったのは言うまでもない。


 式の前、控え室に来客があった。


 自身もしっかり支度を整えたフレイディだ。


 黒い髪は本日、前髪を横に流されてスマートな印象になっていた。


 特に豪華な盛装は、白と青を基調としていて、かっちりした上着にはタッセルや金属のボタンが上品なバランスでついている。


 フレイディのそんな特別である姿にアマリアはつい、見入ってしまった。


 とても美しく、格好いい、と思ってしまう。


 つい見惚れたアマリアにフレイディはつかつかと近寄ってきて、アマリアのドレス姿を褒めてくれた。


「アマリア、とても綺麗だよ」


 シンプルな褒め言葉だったのに、アマリアはとても嬉しく思った。


 心からそう思って言ってくれたのがわかるのだから。


「ありがとうございます。フレイディ様もとてもお素敵です」


「そうかい。ありがとう」


 にこっと笑って言ったアマリアの褒め言葉に、フレイディもより笑みを濃くする。


 フレイディは丁寧にも、アマリアの家から来た侍女やハンナにも挨拶をし、そして最後にアマリアの手を取った。  


 今はレースの手袋をつけているアマリアの手。


 そっと持ち上げ、身をかがめて、軽くくちづけられた。


「今日はよろしく頼むよ」


 とくん、と胸が高鳴るのを感じながら、アマリアは答えた。


 頬が熱くなってくるのを感じてしまう。


「は、はい。私こそ」


 手を離して顔を上げたフレイディは、アマリアの顔を見てか、ふっと笑った。


「そして今日からは夫婦としても」


「……はい」


 静かに、穏やかに言われて、アマリアの返事ははにかんだ。


 それでもしっかり返事をする。


 そのあとすぐに、フレイディは「支度に戻るね」と出ていった。


 しかしアマリアの気持ちはまるで変わってしまった。


 本当に今日、フレイディに嫁ぐのだ。


 肖像画ができるまでの契約のものではあるけれど、一年間は確かに夫婦と名のつく関係になる。


 今さらながら、強く実感される。


 本当に今さらであるが、重大なことなのだと噛み締めてしまい、アマリアは内心、気持ちを引き締めた。


 まずは今日の式を成功させなくては。


 素敵な式にしたい。


 レノスブル家にも迷惑をかけたくない。


 それに、自分も立派な令嬢として振る舞いたい。


 そんな決意が胸に溢れる。


 ついに「そろそろお支度を」と呼ばれたとき、アマリアはまるで戦いに挑むかのような強い気持ちを胸に、控え室を出ることになった。

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