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結婚式前夜2

 でも本当に、緊張という感情はあまりない。


 アマリアの大胆な気質のためだろうが、まったくないとは言わないが、まぁ上手くいくでしょう、くらいに思っている。


「あれほど幼かったお嬢様が立派なレディになられたのも、素晴らしい方の奥様になられるのも、わたくしは幸せに思ってなりません」


 何度も言ってくれたことを繰り返すハンナ。


 ハンナは子供がいるが、それは息子で、十代ながらもう外で働いている身。


 アマリアのことはまた別に、娘のように思ってくれているようだ。


 そのためだろう。


「ですが、なにか心配事がございましたら、このハンナにご相談くださいませよ。フレイディ様や、レノスブル家のお方には言いづらいこともございますでしょうから」


 こちらを振り向いて言ったハンナは、とても優しい目をしていた。


 アマリアの胸が、とくりと高鳴る。


 ずっとそばに仕えていてくれて、半ば育てられたと言っても過言ではない。


 そのハンナにそう言われてしまえば。


 そばにいてくれるひと。


 頼って良いと言ってくれるひと。


 レノスブル領といった遠いところへやってきても、確かにいる。


 そう感じられたのは、大きな安心だった。


「ありがとう、ハンナ。そうさせてもらうわ」


 アマリアの素直な受け入れる答えに、ハンナは今度、はっきりにこっと笑った。


 そして近付いてくる。


「さ、そろそろよろしいでしょうね。タオルを取ってお流ししますわ」


「ええ、お願い」


 アマリアは、ざばっとお湯から上がった。


 洗い場へ移動して、髪を流してもらうのだ。


 その次は、顔にもパックをしてもらう予定だ。


 顔の肌は一番美しくしなければいけないのだから。


 今夜の風呂はだいぶ長かった。


 アマリアにとってとても楽しく、心地良く、またとても安心できる時間だった。

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