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婚約の成立1
父に反対されるだろうとか。
むしろレノスブル家に許されないだろうとか。
アマリアは想像していたのに、ことはアマリアの思いとは逆のほうへ、どんどん進んでいってしまった。
父は二つ返事に近いほど即座に許可を出した。
「レノスブル家という良いお家に嫁げるなど身に余る光栄だ。フレイディ様も素晴らしい方なのだし、お断りする理由などない」
きっぱりそう言われて、アマリアは内心、肩を落とした。
父としては、年頃のアマリアをどこへ嫁にやるかというのは悩ましかっただろうから、むしろその問題が一緒に片付いてしまった形になるのだろう。
そしてレノスブル家のほうも、あっさり承諾してしまったらしい。
「先日、アマリア嬢が訪ねてこられたとき、とても良いお嬢様だという話になったのだよ」
フレイディはやはり、にこにこした機嫌の良い顔で言っていた。
あの訪問で、フレイディの両親などともディナーを同席したものだから、そのときアマリアの様子や人柄は見られてしまっている。
それが良い形なのか悪い形なのか、とにかく今回のことに反映されてしまったわけだ。
そんなこんなで、アマリアとフレイディの婚約はあっさり成立してしまった。




