表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/128

白薔薇のサンプル画3

 しかし、これが完成し、フレイディに渡したあとのことが気になった。


 もし気に入ってもらえたら、フレイディが言っていた『肖像画』を依頼されてしまうのだ。


 興味があるけれど、やはりだいぶ気が引けてしまうことだ。


 それに、その肖像画はなにに使われるのかという疑問もある。


 とはいえ、肖像画は貴族の成長機会には大抵描かれるものである。


 フレイディは二十五と言っていたし、成人した頃に描いたものからしばらく経ったから、新しく欲しくなっただけかもしれない。


 あまり追及するのも不躾だし、本格的に頼まれてしまうことになった時点で聞けばいいわ。


 アマリアはそう思っておいた。


 気に入られて、依頼となるかどうかは決定ではないのだし。


 気に入られたいような……そのあとのことを思うと荷が重いような……。


 アマリアの心はふたつの想いがあって、どちらが強いのかはいまいちわからなかった。


 それでも、頼まれたのだから一生懸命描くだけだ。


 自分の腕前と感性で、堂々と「こちらはいかがでしょう」と言えるような作品を作り上げたい。

 

 そう心に気合を入れて、アマリアは休憩を終えることにした。


 キャンバス前に置いた椅子に腰掛ける。


 鉛筆を手に取った。


 やわらかな芯で、最初のデッサン向けのものである。


 少し先に置いたモチーフを見ながら、キャンバスの上に形を写し取っていく。


 すぐアマリアは集中状態に入り込んだ。


 純粋に描くことを楽しみつつも、真剣に。


 サッサッと鉛筆をキャンバスに滑らせること、数時間。


「アマリア様、お夕食のお時間ですよ」とメイドが呼びに来て、やっとハッとした。


 その時間には既に、デッサンはほぼ完成になっていて、キャンバスの上にはモノクロで花瓶の白薔薇が描かれていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ