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あなたに恋をしたから5

 そう言われて、アマリアはその言葉になんだか胸が跳ね、心が逸るような気持ちを覚えてしまった。


 その思いのままに、ぱっと身を引いて、立ち上がる。


 フレイディはぽかんとした。


 アマリアの頬を優しく包んでいた手が、宙に取り残された形になる。


「それでしたら、私、嬉しいです! 肖像画がきっと、もっと良いものにできますもの!」


 にこっとした笑顔になった。


 フレイディはますますぽかんとした。


 解せない、という顔にすらなる。


「……はぁ」


 その表情のままの、気が抜けた声が返ってきた。


 でもアマリアの胸には、むくむくと違う気持ちが湧いてきていた。


 それは『やる気』。


 違う意味で、アマリアがとても大事にしているものだ。


「頑張りますね! きっと最高の肖像画をお届けできますように!」


 ぐっと腕に力を込め、こぶしを握る。


 もう今すぐ製作に取り掛かりたい、完成させたいという気持ちが、アマリアを突き動かしてしまう。


 アマリアのその溢れんばかりのやる気を感じ取ったのか、レオンが顔を上げた。


 アマリアのほうを見て、ふんふんと鼻を動かす。


「こうしてはいられません! 早速取り掛かりますわ!」


 高らかに宣言したアマリア。


 それだけ言って、わくわくする気持ちで宮廷のほうへと走り出した。


 そのあとを、ぱっと身を起こしたレオンが、わん、わんっと吠えながら追って駆けだす。


 契約のほかに、恋という気持ちが生まれた。


 その気持ちが肖像画にプラスされれば、より良いものになることなんて、約束されているだろう。


 アマリアはそのように思ってしまったのだ。


 それは確かに事実かもしれないが……。


「アマリア……きみはやはり……つれないよ」


 この先にあるはずだったこと……。


 恋にはついてきて然るべきことが、宙に浮いたまま消え去ったフレイディ。


 はぁ……と長いため息をつき、額に手を当てたのだった。

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