あなたに恋をしたから4
フレイディはただ、アマリアを見つめて聞いてくれる。
まるでひとことも聞き逃すまいという視線だった。
その視線を見つめ返して、アマリアは大きな緊張を感じつつも、はっきり口に出した。
ここは本来の気質、大胆で何事にもきっぱりしている自分らしく。
「それはフレイディ様に、恋として惹かれているからです」
口に出したことで、アマリアの胸の中、その気持ちはすとんと落ちてきた。
腑に落ちる、といった心持ちだった。
ああ、私はこの方に恋をしたのだ。
言葉にして初めて実感になるなんて、遅すぎるし、子供すぎる。
自分のことをわかっていなさすぎたのだと思う。
でも遅すぎることなんてきっとなかった。
むしろ、今で良かったのかもしれない。
気持ちを実感するのも、伝えるのも。
フレイディはしばらくアマリアをただ見つめていたけれど、不意に表情が変わった。
ふわりと優しい笑みが顔中に広がる。
その表情はアマリアが初めて目にするもので。
溢れんばかりの幸福。
それであることが、ひと目でわかった。
「ありがとう。……嬉しい」
今度はきっと感嘆の意味で、吐き出すように言われた声。
アマリアの胸の中に染み入って、そこにあった自分の気持ちと合わさって、ひとつになるのを感じた。
とくとくと心地良く胸が鳴る。
緊張も羞恥も消えない。
けれどそれより大きな幸福感が、鼓動と体の熱さとなって表れていた。
お互いの心を見つめているような、視線の交わりだった。
けれどそれは不意に壊れた。
「でも、契約は変わらないのですよね」
アマリアがここまでの話とまったく違う響きで言ったからか、フレイディはちょっと目を丸くした。
確かに事実だけれど、どうしてここで、という顔になる。
「そうだが……それが?」




