表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
102/128

あなたに恋をしたから3

 少しだけためらった。


 だがそれは、ただの羞恥からだ。


 このようなこと、心に抱いたのが初めてなのだから仕方がない。


 それに、伝えるのだって初めてである。


「……言わせるのですか?」


 よって、そんなふうに言ってしまった。


 ためらいがなかなか解けないのが、普段の自分とはまったく違うと感じてしまう。


 アマリアは実感した。


 恋をするとひとは変わる。


 どうしても変化する。


 今の自分は今まで知っていた自分とは少し違う自分なのだ。


 自分の知らなかった面を初めて自覚すれば、やはり仕方がない。


「聞きたいんだよ」


 なのにフレイディはそう言うのだ。


 確かにそういうものかもしれないけれど。


 アマリアは、そこだけはどこか冷静な自分に戻って思ってしまった。


 けれどここまで要されて、退くのも情けないし、それに自分でもそうしたくはない。


 どきどきする胸を叱咤して、奥から気持ちを取り出す。


「はじめは肖像画のことばかりでしたわね、私」


 言ってから思った。


 これはさっき、フレイディが苦笑で言ったような感情だ。


 その通り、フレイディの表情には似たようなものが浮かんだ。


「そうだったね。それがもどかしく感じたことも多かったな」


「だって契約とおっしゃったのはフレイディ様でしたもの」


 そんなふうに言われるので、アマリアはちょっと膨れることになる。


 契約でと言ったのはフレイディなのだ。


 そのまま解釈したのは確かに自分が単純すぎた。


 だけど、でもそう言ったのはフレイディなのだという事実は変わらない。


 しかし今、そこについて追及するところではない。


 アマリアは話を元に戻した。


「ですから私は、契約と立派な肖像画を完成させることばかりが頭にあって……」


 自分の気持ちを言葉にしていく。


 言葉になることで、自分の中で、もっと本当のものとして根付いていくような心持ちがした。


「ですが、知らないうちに心は変わっていったようなのです。フレイディ様が私の中でどんどん大きくなっていって……、わからないことがあるのが寂しい、と思うようになりました」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ