あなたに恋をしたから2
しばらくそのままでいたけれど、フレイディはやがて、体の力を抜いた。
体を起こして、アマリアを離す。
アマリアは少々痛かったのがなくなって、少しほっとした。
けれど、それ以上に、なんだか寂しい、と思ってしまった。
しかし完全に離れてしまうことはなかったのだ。
フレイディはもう悲痛なんてない表情でアマリアに視線を向けた。
手を伸ばして、今度はアマリアの頬にそっと触れてきた。
優しい手つきと体温が自分の肌で感じられる。
違う意味で、急速にどきどきしてきた。
フレイディの優し気な金色の瞳を見つめ返すしかできない。
「アマリアに惹かれている。きみに恋をしたんだ」
見つめ返した先で、フレイディが静かに言った。
それは今までフレイディが何度も言ってくれたことだった。
更に、アマリアにも好意を抱いてほしいとも言ってきた。
その言葉は、恋をしたゆえのものだったのだ。
アマリアはここまできて、やっと実感として感じた。
『契約』と思う気持ちばかりだったのは、自分のほうだけだった。
それが前提にあったから、思いつきもしなかった。
フレイディから伝えられた恋は、アマリアの鼓動をもっと速くした。
その中で、じわりと生まれたものがあった。
熱くて、心地良い熱。
喜び、幸せ、それにつく名前はなんだっただろう。
なんであっても、きっととても素晴らしい感情だった。
「でも俺は臆病だった。きみを心から、これからもずっと愛していける自信が、あのときはなかった。だから契約なんて形を持ちかけた。卑怯だったな」
少しだけフレイディの顔が歪む。
今度は痛みではないだろう。
あのときの自分に苦笑している。
そんな表情だ。
だからアマリアの心も痛まなかった。
むしろあのときのやりとり……共に在った想い出を思い出させて、同じように心地良い熱が体を満たしたくらいだ。
「きみの気持ちは今、どのようになっただろう。教えてくれるかい」
共に過ごすことで気持ちが変化していったのは、フレイディだけではない。
アマリアからも同じだ。
それが今、どのような類になったかなんて。




