06 行動
丸一日、経っちゃったよ。
シュレディーケさんが帰ってきたら、
きっちり話し合おうって、
ずっと待ってたのに、
もう日が暮れた。
何も行動しないでいたら、丸一日、過ぎちゃったよ。
やっぱりおかしいよ、これ。
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今さらながら思い出した。
僕たちが持ってる『Gふなずし』には、
所有者の現在位置をみんなが把握できる機能がある。
調べなきゃ。
……?
現在位置、確認不能!?
って、なんだよ、コレッ。
確か、所有者が居場所を知られたくない時は、この機能を一時停止できるんだっけ。
つまり、今の状況は、
シュレディーケさんが居場所を知られたくなくて自分から一時停止しているか、
または、現在位置を送信できない状況に陥っているか。
…………動こう。
勝手なことしてって怒られるかもしれない。
信用してなかったのって嫌われるかもしれない。
でも、
何もしなかったせいで後から後悔するより、
何かしでかして怒られた方がずっとマシだろ。
『Gふなずし』でみんなに緊急支援要請、
それは、最後の手段。
その前に、僕が、今、できること、
やらなきゃ。
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『ゲートルーム』で、エルサニア王都へ。
『エル女会』の会合の場所は、確か、エルサニア公民館。
組織が大きくなってからは、公民館を丸ごと借りてるって、ルルナさんから聞いた。
もう日が暮れて、街灯の魔導ランプに照らされている王都の街並み。
王都内の行ったことない場所なんて、僕に分かるわけないから、
『Gふなずし』の地図案内だけが頼り。
とにかく、急ぐ。
そして見えてきた、地味だけど大きな建物。
あれが、エルサニア公民館。
公民館の入り口、警備の女性に尋ねてみたけど、
男は立ち入り禁止だとさ。
あんたも『エル女会』の人なんだ。
どうする。
強行突破、
それとも応援要請、
警備員のお姉さんをにらんでいたら、
「こんばんは、フォリスさん」
ひと目見て分かったよ。
中から出てきた、
この人が、
ローガンフージュ