03 楽園
てな感じで、滞りなくご許可もいただけまして、
狩人フォリス、新たな狩り場でがっつりひと仕事。
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あー、ダメだこりゃ。
聞いてないよ、こんなの……
えーと確かに、人の手の入らぬ大自然ではありました。
魔物も動物も、獲物は豊富でよりどりみどり、
なのですが、何ですか、コレ。
めっちゃ平和なんですよ、ここ。
弱肉強食ナニソレな、種族問わずの、みんな仲良し平和空間。
近寄るモノは全て敵、森一番の暴れん坊の魔熊から、ハチミツのおすそ分けですよ。
子育て中は気性が荒くて狩人近寄るべからずが鉄則の魔鹿の母鹿から、いっしょに子守りしてっておねだりされましたよ。
臆病この上ない魔うさぎがお耳ぴょこぴょこ甘えてくるので、心ゆくまでモフっちゃいましたよ。
いや、狩るのは簡単ですよ、そりゃ。
だって、みんな逃げないし。
ってか、向こうから寄ってくるし。
でも、いかに狩人ひと筋な僕だって、空気くらい読めますって。
こんな生き物たちの楽園で、狩りなんてできるかってのっ。
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「おみやげ……」
ないです。
「ご馳走……」
ありません。
「悲しい……」
僕もです……
ヒメルミネアさんからの、切実に訴えるようなまなざし。
でも、せっかくご許可をいただけましたが、
ここでの狩りは僕では絶対に無理でした。
ってか、この生き物仲良しパラダイスは何なのですか、シナギさんっ。