17 掟
うへぇ、えらい目にあったよ……
「おみやげ……」
ないです。
「ご馳走……」
ありません。
「悲しい……」
僕もです……
ってか、ローガンフージュさんっ、なんすかココッ、
魔物も動物もハンパ無く強いんですけどっ。
「か弱い精霊乙女が己の身を守るためには、頼りになる屈強なボディガードが必須」
「つまり、私が時間を掛けて精魂込めて育成した、自慢の子たちなのですよ」
うん、確かに、
あんだけ強けりゃボディガードにも最適、
って、あんなの狩れるような魔狩人じゃないですよ、僕。
そもそも、自慢の子たちを狩っちゃっても良いのですかっ。
「この世の全ては弱肉強食が掟」
「私をあんな目にあわせた強者のフォリスさんは」
「弱者で敗者な私と、私の領地の全てに」
「あんなことやこんなことを行使しちゃう権利を有する」
「つまりは蹂躙で陵辱ざんまいなケダモノ狩人」
「フォリスちゃん、ロージュちゃんにナニしたの」
「爺ちゃん、ドン引き……」
なんもしてませんって!
ってか、そもそもナニがあったか全部知ってるでしょ、お爺ちゃんっ。
もう、なんなんすかコレ、
ローガンフージュさんも、キャラ変わってるし。
「謹慎という名の長い虜囚生活が、精霊乙女の清らかな心をズタズタのぼろぼろのぬちょぬちょに……」
はいはい、長かったですよねっ、
長命種は時間感覚が僕らとは違いますもんねっ。
本当にもう、どうすんのコレ。
狩りもへったくれもないっての。
こんな感じでアレな精霊さんたちからイジられまくってたら、
いつの間にやら、もう夕方……




