001 能力者
新キャラ、登場!
「ただいまー!」
「ここ、団長の家じゃないですけどね」
初っぱなからツッコミを喰らうボス。
カッコ悪い……
あの後、トラウマを1つ植え付けられた僕はスーパーでお肉を買い、無理やり立ち直った。
そして、歩くこと15分
僕と団長は、住宅街にある一軒家の前で足を止めた。
ここが僕の家。
ごく普通の、少し広めな家である。
鞄から鍵を取り出し、扉を開けて中に入る。
そして、団長はこの家を我が家と思っているらしい。
……確かに団長はよく、(仕事をサボって)遊びに来るけど、男の家なんだぜ?
……一応
家の中から返事はない……と、思ったら大間違いだ。
「お帰りー」
ほらね。
荷物を置いてリビングに顔を出す。
そこにいたのは「美しい」という表現が最も似合う女の子だった。
長い黒髪をツインテールにした髪型
整った顔に綺麗な肌
そして、真っ先に目を引くのは(そのわりに説明が最後なのは、どうか気にしないでほしい)スタイルの良さだろう。
長い足に綺麗な形の胸
そして……
「僕よりも高い身長!」
「ありがとう……」
スタイル抜群の女の子に台詞をとられて、悔しいようで、しかし言いたくない台詞を言ってくれた彼女に僕は素直にお礼を言ってしまった。
僕の身長は172センチ
彼女の身長は172センチ
数ミリの差で負けている。
まあ、現実と向き合うのはこれぐらいにして彼女の名前を。
彼女は「リカ」
本名なのかは分からないが、リカ本人は気に入っている。
そしてリカは今何をしているかと言うと……
「まだ、勝てないのか?」
「うーん…… あと3時間あれば……」
「うへぇ」
リカの返答を聞いた僕の口からは、変な声が出た。
けれどそれも仕方ないだろう。
リカが今向き合っているのはテレビ……そう、彼女はテレビゲームをしていたのだった。
彼女は大のゲーム好き。
しかし……
「まだ、2体なんだ…… 倒せた敵キャラ……」
そう。リカはゲームが下手くそなのだ。
まず、文字を読むのが遅いため、チュートリアルに2時間。
最初のステージで5匹の雑魚キャラを倒すのに朝から苦戦しているのだ。
この腕前なのにゲームを飽きないというのが驚きである。
「手伝おうか? ご飯の後に」
「いや、それだと賭けが……」
どんな賭けしてるんだろう……
僕の提案を断るリカ。
「あーあ、現実の敵キャラなら、楽に倒せるんだけどなー」
そんな、独り言をこぼすリカ。
そう、彼女も「ボランティア」のメンバーにして、「Aランク」の序列1位の存在だ。
チュドーン
「「あ」」
ゲームオーバー
つづく
次回、波乱の展開!?