002
「ふー、疲れた……」
「お疲れ様です」
前回の話から、から1時間。
公園中のゴミを、1つ残らず回収した団長と僕は、公園のベンチで休憩をとっていた。
疲れた様子の団長(気分的な問題だろうが)に、ジュースを渡す。
因みに、僕は17才。
ピチピチの高校2年生である。
対して、団長は……あれ?
年齢はいくつだろう?
見た目はギリギリ高校生と、言った感じだが。
「失礼な事を考えているな、達也」
「何故分かる」
僕がそう言うと団長は拳をポキポキ鳴らし始める。
しまった。鎌をかけられたらしい。
話を逸らさなければ……
「団長。今日の晩御飯はステーキにするつもりですけど、よかったら食べに……」
「うん。いくー♡」
よし、話を変える事が出来た。
まあ、取り敢えず、ゴミを「ボランティア」本部に、預けてから、買い物に行くか……
団長は、とにかく、食いしん坊。
毎日、ご飯のお金で、給料の4分の1が無くなっているらしい
ボランティアの学食は無料。
ただし、団長のみ、例外。
学食のお姉さん(おばさんと呼んだら、殺されかけたトラウマあり)も、団長がいなくなれば、どうなるか分かっているから、嫌々作っているって、感じだ。
団長は貧乏だが、貰う給料は多い。
あくまでも、食料代が高いだけなのだ。
……いや、高いじゃ無くて、多い?
何を言っているのだろうか僕は……
まぁ、取り敢えず、ボランティアに寄った帰りにお肉を大量に買って帰ろう……
ボランティアにも、団長用のお肉は売っているが、たまには商店街のお肉でも、いいだろう。
家で働いている彼女もいることだしね。
そんな訳で晩御飯はお肉に決定。
休憩を終え、ボランティアに向かう途中……
「おい、そこのカップル」
いかつい顔をした男達が僕……そして、団長の前に立ちはだかる(大袈裟)。
「何か?」
僕が聞くと、男達は予想通りの言葉を口に出した。
「その、ゴミと女を置いていってもらおうか」
やっぱり……
どこかで見た顔だと思ったら、ボランティアのメンバーだった
目的は手柄の横取りと女……つまり、団長。
ゲームで言うところの「PK」と、言うやつだ。
まぁ、仕方ないか……
この、女の子が、能力者集団「ボランティア」の団長だと知れば、ひっくり返るだろうが、団長の顔を知っているメンバーなんて、少ないし。
「団長。どうします?」
僕が団長に問うと、
「カップル……カップル……カップヌードル……」
団長は幸せな顔をしていた。
カップルと思われたのが、よほど嬉しかったらしい。
仕方ないか……
僕、1人で片付けよう。
つづく