0015 血の海 考察
秋だなぁと感じられる季節に投稿された春の物語。物語はターニングポイントへ……?
語り部 達也
茅場さんの息子…名前は知らないけれど、常に笑顔を絶やさない人だった記憶がある。
「茅場さん、貴方の息子は…」
ガキンッ
また大剣で攻撃してきたのでそれを槍ではじく。
話す気は無いって事か……
(リカ、早く来てくれ……)
リカの能力には記憶操作だけではなく、危険関知の力も使えるはずだ。
早く来てくれないと、三国『みくに』が死んでしまう……
「およ?何だよ、あの美人の姉ちゃん。逃げちゃったのか?」
どうやら心配要らなかったらしい。
それにしても弟を見捨てて逃げるなんて…
さすが、胸と顔だけの女だ。
大方、恋人の誰かの所へ逃げたのだろう。
……それにしても逃げる気配を全く感じなかった。
もしかして、能力者……?
「茅場さん、貴方の息子さんはお金のためにボランティアに入ったんでしょう?」
とりあえず、考え事をやめて 茅場さんに語りかける。
「ああ、そうさ!俺の息子は俺と俺の嫁のためにボランティアに入ったんだ!だが奴はもう女と遊んだ後に……死んで……あれ……?」
記憶があやふやなのか。
そういえば火月『かづき』のやつもリカの名前を少し忘れていた。
記憶操作が無差別に起こっている……?
それとも他に記憶操作の能力者がいるのか?
いや、そんな能力(武器)の持ち主はリカだけだ。
じゃあ、これは……?
そんな考え事をしていると目の前に大剣が叩きつけられる。
戦っている途中に考え事をするのは、僕の悪い癖だ。
だが、大剣は目の前で止まっている。
外したのか?
それともわざと……?
だが、僕のその考えはすぐに間違えだと思い知らさせることになる。
続く