001 ボランティア
『ボランティア』
それは、超能力者集団をまとめる、秘密組織である!
強さは下から、『E』、『D』、『C』、『B』、『A』、『S』ランクに分けられる。
ヒーロー物でよく出てくる強さランキングと、思って貰えればいい。
『E』は、能力者の素質がある者!
『D』は、能力に、目覚めたての者!
『C』からは、ある程度、能力を操れるようになり、
『B』は実際の悪の能力者との実戦に出られるようになり、
『A』は、功績を立てた者や、戦い抜いたエリート!
『S』からは、我らの神にして、天使で、癒しでもある団長を含め、片手で、数える程しかいない、雲の上の存在!
どう? 少しは興味が湧いたかな、達也!
さあ、君も今日から能力者!
私たちと一緒に、戦おう! ヒーロー!!
100円+税
―――「却下です」
僕、諸星 達也は冷たい口調で隣にいる団長に告げた。
団長と呼ばれた女性は軽く凹んだような感じでぐったりとし、公園のベンチに、勢いそのままに座り込んだ。
僕の隣にいるのは、『団長』。
本名不明。年齢不明。身長……は内緒(☆)。
公園を歩く誰もが2度見するほどの美少女だった……
長めの金髪に白い肌。小柄の割に大きめな胸。
そして、その白い肌とは対照的に黒い上下の服装がより、人の目を引いているのかもしれなかった。
対して僕は上下黒の、ジャージである。
何をしているのかと言うと、『ボランティア』の仕事である。
具体的にはゴミ拾い。
言葉違いの、ボランティア活動だった。
……まあ、誉められる作業かな。
そして、その休憩時間。
僕は団長の作った、ボランティア勧誘のマニュアルを読んでいた……そして、今、11冊目の作り直したマニュアルに、クレーム(言い方は悪いが)をつけている所だった。
「うーん、何が、悪いの?」
不満げな団長に、僕は容赦なく言う。
「短いし、内容が少な過ぎます。2頁しか無い」
「うっ!」
「後、なんで僕の名前を出しているんです?」
「う~、それは、君を愛するがため……」
文句だらだらの、団長を無視して僕は続ける。
「何より! 何でお金を取っているんです!?」
「う……だって、私、貧乏だし……」
団長は自分を貧乏と、言った後に続けた。
「と、言うわけで! はい、100円」
「はぁ~」
マニュアルが完成に至らない一番の原因が、『お金をとる』と、言うところだった。
因みに、僕は、今日だけで1000円とられている。
そして今、100円を再び、取ろうとしている。
自然と、ため息が出てしまった。
「後、自分の事、アピールしすぎでしょ……」
「誤魔化そうとしても、無駄だよ? はい、100円♡」
団長は、僕の意見を無視して続ける。
仕方なく僕は財布から100円を取り出すと団長の手のひらに置いた。
税金を取られていないのがせめてもの救いである。
「やったー☆」と、喜ぶ団長。
まあ、貧乏なのは本当だしな。
「さて、そろそろボランティアの仕事に戻りますよ!」
「うん。ゴミ拾いー♪ ゴミ拾いー♪」
だから、ややこしいってば。
続く
編集完了等は、Twitterで報告していきます。
今度こそ上手に書けますように!
※2020年 9月21日 あらすじ変更