3-7 大学生、この世界は前よりゲームっぽいと思う
いい加減な世界神となんやかんや話したり言い争ったりして、主観では数時間かかった気がしたのだが、元に戻ると数秒しか経過していなかった。
「あんなのがこの世界の神とかこの世界大丈夫かね」
桐島さんは世界神からせしめたらしい銃をチェックしながら言っている。
というか今14発装填したように見えたんだけどそれはあの幼女オッケーしたの?
「なんかステータスが見えるようになったな」
視線だけ動かしている桐島さんが言った。
こちらもステータスを意識してみると、何やら視界内にステータス表示が浮かんできた。
滝川雄一
勇者 LV:1
HP:5000 MP:500 ATK:2500 MATK:500
アビリティ:
勇者(この世界の神に呼ばれた者/全ステータス上昇、パーティーメンバーに成長ボーナス)
勇者(聖剣ミスティルテインに選ばれた者/全ステータス上昇、アイテムボックス利用可)
真の勇者(魔王討伐の達成/全ステータス上昇)
異世界を渡る者(3つ以上の世界を知る/対象世界のステータスにボーナス)
世界神の加護(この世界の神による加護/全ステータス上昇、パーティーメンバーに成長ボーナス)
常在戦場(達人の心の在り方/奇襲無効、俺の後ろに立つな)
スキル:
聖剣解放(聖剣の能力を解放/ATK2倍の貫通必中攻撃)
居合(日常にある武/前振りなしに防御、攻撃が可能)
思った通り、「魔王」がいるのでミスティルテインのステータス上昇効果は有効らしい。
というか、ミスティルテインに身体能力上昇以外の何かがあったとか初耳なんですけど。
常在戦場と居合は世界神に言って着けてもらったアビリティとスキルだが、よくよく考えてみると奇襲無効があるなら居合はいらない気がする。
まぁ、こちらが奇襲攻撃するのに便利だと思うことにしよう。
世界神が言っていた通り、MPや魔法攻撃力は低めだが、アビリティのステータス上昇がのっているからこれでも多いのだろうか?
それ以前にどのくらいが普通なのかわからないので、このHPでどの程度攻撃を受けられるのか知る必要があるだろう。
「なんかHPが5000ありますね」
「LV1の上限だぞそれ」
「え?」
桐島さんはそのあたりのことも世界神にきちんと聞いておいたらしい。
「段階ごとにステータスに上限がかけてあって、レベルが10上がるごとに500ずつ上限はあがるらしい。でレベルは100が上限だから」
「ステータスも10000が上限と」
「いや、HP以外はHPの半分らしいぞ、上限」
なんだそれ。
ということは現時点でHPとATKはカンストしていると。
「MPとMATKが500しかないです」
「十分多いと思うぞ。そもそもMPはスキル使うときに必要らしいが、MATKは魔法使えなきゃ意味ないだろ」
「その多い、少ないの基準がわからないんですが」
「あの幼女が言うには、世間で一流とされる魔術師でMP500、MATK1000程度だそうだ」
「勇者のボーナスすげぇ!」
つまりこのゲームみたいにステータスがある世界で俺TUEEEEEができるわけだ。
「まぁ、攻撃力10倍とかのスキルがあるらしいから、注意はしとけよ」
聖剣のスキルしょぼくね?
「というか、あの神様にそんなことも聞いてたんですか?」
「集めれる情報は集めとかんとな」
仕事だし、と桐島さんは言う。
「パーティーへの成長ボーナスっていうのがありますね」
「それが勇者がパーティー組んで旅をする理由だそうだ。普通より遥かに強くなれるから魔王討伐が少数で可能になるってことらしい」
「あの神様は何をさせたいんですかね?」
「暇すぎて俺らの世界のゲームばっかやってるらしいぞ?」
ほんと碌でもない神様だな!
「あ、あの、勇者様方、よろしいでしょうか」
やべ、他にも人いるんだった。
というか、普通にこの世界で神とされてるものをあれとか幼女とか言ってたわ。
ミスティルテインみたいな狂信者の国だったらどうしよう。
「世界神様との交神もすんだところで、旅に随伴させていただく者達を紹介したいのですが」
勇者だから我慢してるのか、ほんとに神様のことをさして敬ってないのか、判断に困るところだ。
むしろ世界神のことに触れてくれるほうがその辺がわかってやりやすいのだが。
「紹介は受けるが、人員はこちらで選んでいいのか」
「それは勿論お任せしますが、出来ましたら我が国から多くの者をお連れいただけますと幸いです」
なんか王様もそうだったけど、王女とかいう割には妙に下に出てくるというか、こっちにびびってるみたいなんよね。
なんでだろ?




